星空のマグニチュード

iRyota25

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国際宇宙ステーションから撮影された、りゅうこつ座のカノープス(1等星)
国際宇宙ステーションから撮影された、りゅうこつ座のカノープス(1等星)

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夜空に輝く星の明るさの単位もマグニチュード?

カペラ、アルタイル、アルデバラン、ポルックス、デネブ…。みんな夜空に輝く一等星の名前です。ところで、星の明るさを示す単位の等級って、横文字では何と言うかご存じですか。

答は「マグニチュード」。そう、地震のエネルギーを示すマグニチュードと同じ言葉なのです。空に輝くロマンチックなお星様と、大きな災害を引き起こす凶暴な地震の単位が同じだなんて変な感じがしますが、マグニチュードという言葉は、単純に「大きさ」といった意味のラテン語。だから、地震の大きさもマグニチュードだし、星の明るさ(輝きの大きさ)もマグニチュードという言葉になってしまうのです。世界中の地震の10~20%が発生するという日本では、地震のたびにマグニチュードという言葉を耳にするため、マグニチュードと地震という2つが強く結び付けられて、マグニチュード=地震の単位という理解が広まったのでしょう。

ちなみに、地震のマグニチュードを考案したのは、カリフォルニア工科大学の地震学者チャールズ・リヒターで、1935年のことでした。アメリカ西海岸は日本と同様に地震多発地域。リヒターはサンアンドレアス断層を震源として発生する様々な地震の規模を比較するため、震源地から100キロの距離に震度計を設置していたらと仮定した場合の最大振幅値からマグニチュードを計算しました。この考え方って、星の本来の明るさを比較する「絶対等級」とそっくりだと思いませんか。夜空に輝く星は、地球からの距離がまちまちだから、見かけの等級だけで恒星そのものの明るさを比較することはできません。そこで、さまざまな星が地球から10パーセク(約32.616光年)の距離にあったと仮定した時の明るさが絶対等級(Absolute magnitude)として示されるのです。

マグニチュードと日本語で発音すると、なんだか無性に凄そうなイメージがありますが、ほかにもちょっと似た言葉がありますよね。世界史の授業で習うマグナ・カルタ(大憲章)、地学や地理の教科書に登場するフォッサマグナ(大きな溝:日本の本州の中央地溝帯)、どちらのマグナもデカイという意味。拳銃や弾丸のマグナムも同じ語源です。メジャーリーグのメジャーはマグナの比較級、高級レストランやコーヒーギフトのマキシムはマグナの最上級から来た言葉。だけど、火山から噴き出すマグマは違いますよ。こちらはギリシャ語の糊から来ている英語なんだそうです。

 【参考ページ】マグニチュード(地震)
potaru.com

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