世間的には熱が冷めたころかと思いきや、ゴールデン・グローブ賞で映画「ボヘミアン・ラプソディ」が作品賞と男優賞(ドラマ部門)を受賞しました。アカデミー賞にも影響が大きいと言われる同賞を受賞したことで、またもや注目が集まりそうです。
リアルタイムのファンだけでなく、若い人たちも大勢足を運んでいることにはインターネットによってクチコミや映画のビジュアル(この映画これ大事)がどんどん広まっていったことも大いに貢献していることでしょう。面白い現象だと思います。
筆者はこの映画で生まれて初めて「2回観る」ということを経験しました。もっとも洋楽好き・ロック好きの筆者にとってクイーンは「たくさんある大好きなバンドのひとつ」に過ぎず、5本の指に入るかと問われればおそらく入りません。アルバムも2枚しか持っていません。
しかし筆者の中には「好きなアルバム」の中のさらに「特別枠」というのがあり、「歌えるようになりたくて死ぬほど聴いたアルバム」というのが何枚か存在します。その1枚がクイーンの「グレイテスト・ヒッツ」なのです。
最初で最後のチャンス
伝説のチャリティライブ「ライブエイド」は高校3年の時。しかしそのあと何年かしてフレディ・マーキュリーはこの世を去ってしまったので、あれほど聴き込んだクイーンのライブはもう見ることができません。
となるとこの映画こそが人生最大音量でクイーンの音楽を聴けるチャンス!そんな並々ならぬ気合を込めて観に行ってきました。
ロック好きはここを見る!
ボヘミアン・ラプソディは、クイーンを知らなくても、ロックや洋楽に興味がなくても楽しめる、意外とシンプルな映画だと思います。
これから私なりの注目ポイントを挙げていきますが、ストーリーのネタバレは一切ありませんのでご心配なく。興味のある人だけ見ればいい、わかる人だけわかればいいトリビア的なもので、完全な自己満足で書いています。だから無視して全然だいじょうぶです。
20世紀フォックス社のアレ
20世紀フォックス社の映画が始まる前には同社のエンブレムが映るとともに「♪パッパカパーン パパパパパ パッパカパパパパパパパパパパーン」というファンファーレが鳴ります。あれテンション上がりますよね。
この映画ではそのファンファーレがクイーンの映画ならではの独特なサウンドになっています。冒頭いきなりなのでお聴き逃しなく。
すれ違うバンドにゃ掟がある
映画冒頭、フレディがステージに向かうシーンで、あるバンドのメンバーたちとすれ違います。その中のひとりが、日本の中高生になじみのある服を着ています。
ボーカリストがこの服を着て参加していたのは、このライブの2年後にお化けアルバムをヒットさせて超大物の仲間入りをしたあのバンドです。
実際のライブの出番順を調べてみたところ、両者がすれ違うことはなさそうなので、これは制作側のちょっとした遊びでしょう。目を凝らせばほかにも「これはあのミュージシャン?」というネタが散りばめられているのかも知れません。
レコード会社社長の矛盾
出来上がった新曲「ボヘミアン・ラプソディ」についてある主張を譲らないレコード会社の社長。演じている俳優(マイク・マイヤーズ)は、昔の映画でこんなことをしています。
Bohemian Rhapsody Wayne's World HD
YouTube
黒いキャップの青年がマイク・マイヤーズです。
これを知ったうえで映画を観れば、ここが明らかに「ツッコみ待ちネタ」であることがわかります。絶対にこのくだりありきの出演オファーだと思います。
さらに、以前この社長が手がけたというロックの名盤には大きな特徴があります。これも社長のボヘミアン・ラプソディに対する主張と矛盾するツッコミどころになっています。
日本語のシャツ。日本語の札
日本好きで知られるクイーン。劇中にギターのブライアン・メイは漢字の書かれたダサい(笑)シャツを着ています。なんて書いてあるか読めるでしょうか。
中でも最も日本好きと言われるフレディは自宅でしばしば日本の着物(長襦袢?)をガウンのようにして着ているほど。そんなフレディの自宅にも日本語で書かれたお札が貼られています。なんと書いてあるかチェックしてみましょう。
フレディの「あし」
劇中でフレディは一貫して某有名スポーツメーカーのシューズを履いていますが、あるシーンだけ別のスポーツメーカーのシューズを履いています。
どちらのメーカーのものも、この映画の影響でさらに人気が上がっていると思います。80年代の復刻版が発売されたらうれしいな。
She keeps ○○ ○ ○○
終盤のライブ控室のシーンでワインクラーラーにシャンパンが入っています。クイーンが飲むシャンパンといえば名曲「キラー・クイーン」に登場する「アレ」じゃないとファンは納得しません。
というか、まあこれはシャンパンの世界的代表選手ですが。
日本人を探せ
個人の趣味として外国映画を見ると必ず「エンドロールで日本人の名前を探す」のが恒例になっています。今回もひとりだけ確認できました(まだいるかも知れませんが)。
歌いませんって
歌えるようになりたくて死ぬほど聴き込んだクイーン。でも映画に合わせて歌うことはしませんでした。同じ映画館で「拍手・声出しOK」の企画上映もありましたが、こんな田舎ではきっと「寒い」ことになりそうなので、2回とも普通の上映を見ました。
何はともあれ、30年以上も聴いてきた名曲の数々を本物そっくりの役者さんの見事なパフォーマンスを見ながら大音量で聴くことができて「ロック好きとして、こんな形で報われることもあるんだなあ」と感慨にふけることができる映画でした。
その後、もっと細かいトリビアをバンバン指摘している強者の方のツイートも見かけました。1本の映画について全国のファンが細かいネタをすぐに共有できるのはインターネットが普及した現代ならではですね。すごく楽しいです。
映画のブルーレイが出たらもっと細かいところをチェックしようと思います。老眼にムチ打って。
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