最大震度7の地震が二度に渡って発生した熊本地方では、熊本城が深刻な被害を受けている。本震の4日後からは路面電車の運行も全線で再開され、熊本を代表するデパート鶴屋百貨店も23日から部分的に営業を再開した。しかし、町のシンボルである熊本城の悲惨な姿は、熊本に暮らす人々の心に影を落としているかもしれない。

城郭の東側から小天守を見上げる。戦後再建された小天守も屋根瓦が落ちるなど大きな被害を受けている。背後には瓦も鯱も落ちてしまった大天守。

国の重要文化財「東十八間櫓」は石垣ごと崩落した。東十八間櫓は加藤清正が築城した当時からの建物で、西南戦争の火災でも焼失を免れたものだった。余震や雨で被害はさらに拡大するかもしれない。黄色いトラロープが張られた外側から撮影していても危険を感じる。

熊本城の石垣崩壊で、熊本大神宮も倒壊した。

お城の周りの遊歩道には、敷石が持ち上げられてしまった場所もある。段差は10センチ近くある。地震の力が熊本城の周辺に集中したことが伺える。

21日のNHKラジオのニュースで大西一史熊本市長は、熊本城の被害の大きさに衝撃を受けたと述べながらも、被災した市民の生活再建を再優先するという姿勢を強調していた。しかし城の復旧を求める市民の声は大きく、同日「熊本城災害復旧支援金」の口座が開設された。

被災された人々の生活再建とともに、町のシンボルの復活が果たされますように。