2016年3月28日 今日の東電プレスリリース

fnp1monitor

公開:

0 なるほど
5,510 VIEW
0 コメント

【追跡】地下水ドレンからタービン建屋への汚染地下水移送量(3月17日~3月23日)

3月28日(月曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。

「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)
「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)
 福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成28年3月28日
www.tepco.co.jp  
【まとめ】今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
 【まとめ】今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
potaru.com

※ 情報を追加して更新します

多核種除去設備内の吸着塔で処理中の汚染水が漏洩の続報として、現場写真と漏洩の経緯・場所等を示す資料が公表される

配管フランジの写真
配管フランジの写真

photo.tepco.co.jp

漏えいした水の床面の写真(いずれも撮影:東京電力、撮影日:2016年3月25日、掲載日:2016年3月28日)
漏えいした水の床面の写真(いずれも撮影:東京電力、撮影日:2016年3月25日、掲載日:2016年3月28日)

photo.tepco.co.jp

上に引用したものと同じ現場写真の資料。

 多核種除去設備における堰内漏えい (3月25日) 現場写真|東京電力 平成28年3月28日
www.tepco.co.jp  

同日発表された下の資料には漏洩の時系列、現場写真のほか、漏洩箇所や多核種除去設備の系統について示されている。原因については「調査中」とのこと。

 福島第一原子力発電所 多核種除去設備 における堰内漏えいについて|東京電力 平成28年3月28日
www.tepco.co.jp  

地下水ドレンからタービン建屋への汚染地下水移送量(3月17日~3月23日)

建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移|東京電力 平成28年3月28日
建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移|東京電力 平成28年3月28日
 建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移|東京電力 平成28年3月28日
www.tepco.co.jp  

【注目点】事故原発構内海沿いの地下水ドレンで汲み上げたものの、汚染度が高い地下水は建屋地下に送られて汚染水として処理されている。3月17日から23日までの1週間で合計すると約1,380トン(改修ウェル・ウェルポイントでの汲み上げ分含む)の地下水が汚染水としてタービン建屋に移送された計算になる。

この量は地下水バイパスの1回の排出量に匹敵。建屋に流入する地下水を減らそうとする一方で、処理しなければならない建屋地下の汚染水を増やしているの汚染水処理の現状といえるだろう。地中に氷のダムをつくる陸側遮水壁の運用が近く始まるとされる。地下水の動きにはこれからも注目していく必要があるのは言うまでもない。

K排水路の付け替え工事が終わる

K排水路出口(撮影:東京電力 撮影日:2016年3月27日)
K排水路出口(撮影:東京電力 撮影日:2016年3月27日)

photo.tepco.co.jp

K排水路止水(撮影:東京電力 撮影日:2016年3月28日)
K排水路止水(撮影:東京電力 撮影日:2016年3月28日)

photo.tepco.co.jp

これまで太平洋に直結していたため、大量の放射性物質を流出させてきたK排水路の付け替え工事が完成。東京電力は写真とニュースリリース、さらに動画で伝えた。

 K排水路付替完了|東京電力 平成28年3月28日
www.tepco.co.jp  
 映像|写真・映像ライブラリー|東京電力
www.tepco.co.jp  
写真・映像ライブラリー「2016/3/28(月)K排水路付け替え完了について」からキャプチャ
写真・映像ライブラリー「2016/3/28(月)K排水路付け替え完了について」からキャプチャ

写真では分かりにくいが、動画の拡大画面を見ると新・K排水路からはすでに排水が流れ出ている。排水先は第一原発の港内だ。港内の水と外洋の海水がつながっていることを考えると、巨大な排水路を建設した意味もぼやけてしまう。排水路内に放射性物質の吸着効果があるゼオライトを敷き詰めるなど十分な措置をとって初めて「付替完了」といえるのではないか。

【焦点】「K排水路付替完了」のリリースが発表されて間もなく、3月31日に東京電力はK排水路の汚染について行ってきた監視強化を終了すると発表した。汚染水対策の三原則は「汚染源を取り除く」「汚染源に水を近づけない」「汚染水を漏らさない」ことだという。これは一般論ではない。東京電力、そして経済産業省が掲げている原則である。監視強化の終了は明らかにこの原則を踏みにじるものだと言える。

1~6号機

◎日報に新規事項の記載なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系停止中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機原子炉建屋地下から集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中

◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中

◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了

◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備

◎日報に新規事項の記載なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)停止中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備運転中
・高性能多核種除去設備停止中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中

最終更新:

コメント(0

あなたもコメントしてみませんか?

すでにアカウントをお持ちの方はログイン