【重要】多核種除去設備内の吸着塔で処理中の汚染水が漏洩。
3月26日(土曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。
※ 情報を追加して更新します
多核種除去設備内の吸着塔で処理中の汚染水が漏洩
※3月25日午後7時42分、多核種除去設備において、漏えい検知器が動作し、「多核種吸着塔Aスキッド3漏えい」警報が発生。なお、多核種除去設備については、3月16日から停止し、高性能容器(HIC)の交換作業等を実施中。
当社社員が現場を確認したところ、午後9時10分頃に当該漏えい検知器の付近に水があること、および多核種除去設備A系の吸着塔6A下部に設置してある配管のフランジから1秒に1滴程度の滴下があることを確認。なお、建屋内全体が堰構造となっており、漏えいした水は建屋外への流出はない。午後10時00分頃、水の滴下が確認された配管フランジについて増し締めを実施し、午後10時15分頃に滴下が停止したことを確認。なお、漏えい量は、漏えい検知用の升(約20cm×20cm×深さ5cm)、および床面の漏えい範囲(約2m×3m×深さ1mm)より、約8リットルと推定。
漏えいした水の放射能分析結果については、以下のとおり。
・セシウム134: 150Bq/L
・セシウム137: 690Bq/L
・全ベータ : 19,000Bq/L
上記の分析結果より、漏えいした水については、多核種除去設備の系統内の水と判断。
なお、漏えいした水については、午後11時46分に回収作業を開始し、3月26日午前1時20分に終了。今後、漏えいした原因について、引き続き調査を実施。
スキッドは、万一漏洩等が発生した際に、汚染が外部に広がらないように設置された堰で仕切られたエリアのこと。
以下は東京電力、福島県による多核種除去設備の解説ページ
3月28日に東京電力が発表した資料。漏洩箇所等の詳細が示された。
1~6号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系停止中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機原子炉建屋地下から集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
◎日報に新規事項の記載なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)停止中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備運転中
・高性能多核種除去設備停止中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクBから海洋排水を実施。排出量は573トン
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクBの分析結果[採取日3月17日]について、運用目標値を満足していることを確認。3月25日午前10時14分より港湾内への排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時30分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)
その後、午後2時10分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は573m3。
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクCから海洋排水を実施。排出量は579トン
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクCの分析結果[採取日3月18日]について、運用目標値を満足していることを確認。(既出)
3月26日午前9時50分より港湾内への排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時2分に漏えい等の異常がないことを確認。その後、午後1時48分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は579m3。
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクDからの排水準備が進む
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクDの分析結果[採取日3月19日]について、運用目標値を満足していることを確認。
※ 一時貯水タンクは浄化後のサブドレン・地下水ドレン水を海洋排出前に一時貯水するもので「サンプルタンク」とも呼ばれる。
サブドレン・地下水ドレン 集水タンクの分析結果(3月17日採取分)
※ 集水タンクはサブドレン・地下水ドレンから汲み上げた水を浄化施設に送る前に貯えておくタンクのこと。
地下水バイパス 揚水井の分析結果(3月24日サンプル採取)
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
3月25日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
◆H4エリア
◎日報に新規事項の記載なし
○H4エリア周辺地下水E-1<全ベータ>
3月24日採取分: 8,600Bq/L
3月23日採取分:11,000Bq/L
3月22日採取分:12,000Bq/L
3月21日採取分: 6,900Bq/L
3月20日採取分: 6,200Bq/L
3月19日採取分: 8,400Bq/L
3月18日採取分:11,000Bq/L
3月17日採取分:10,000Bq/L
3月16日採取分:14,000Bq/L
3月15日採取分: 9,900Bq/L
3月14日採取分: 8,800Bq/L
3月13日採取分: 8,400Bq/L
これまでの最高値:710,000Bq/L(2013.11.10)
◆H6エリア
◎日報に新規事項の記載なし
1~4号機タービン建屋東側
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
1~3号機放水路
◎日報に新規事項の記載なし
K排水路
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
関連データ(東京電力以外のサイト)
最終更新: