2月10日(水曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。
※ 情報を追加して更新します
1号機 原子炉格納容器ガス管理設備の制御サーバ多重化等の改造工事、2月9日午後3時35分作業を終了。10日午前9時37分より作業開始
・原子炉格納容器ガス管理システム停止中
・1号機原子炉格納容器ガス管理設備については、2月8日から2月12日まで作業日毎に当該設備を停止して、特定原子力施設に係る実施計画「III特定原子炉施設の保安」第1編第32条第1項(保全作業を実施する場合)を適用し、当該設備の信頼性向上を目的とした制御サーバ多重化等の改造工事を実施。
2月9日午前9時40分より同項を適用して当該作業を開始。(既出)
午後3時35分に同日分の作業を終了。当該設備の動作確認において異常がないこと、また放射線モニタの指示値に有意な変動がないことから、午後5時16分に同項の適用を解除。
なお、当該設備の停止期間中における関連監視パラメータに異常なし。
2月10日午前9時37分より同項を適用して当該作業を開始。
その他の項目に新規事項の記載なし
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・使用済燃料プール循環冷却系停止中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機使用済燃料プール(以下、「SFP」という。)代替冷却系については、当該系統の弁点検のため、2月5日午後2時37分停止(2月17日午後6時までの約292時間停止予定)。冷却停止時のSFP水温度は、11.1℃であり、冷却停止時間におけるSFP水温度上昇率は0.055℃/hで、停止中のSFP水温度上昇は最大で約16.1℃と評価されることから、運転上の制限値60℃に対して余裕があり、SFP水温度の管理上問題ない。
2~6号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
◎日報に新規事項の記載なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)運転中
・増設多核種除去設備停止中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクBから海洋排水を開始
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクBの分析結果[採取日2月3日]については、運用目標値を満足していることを確認。2月10日午前10時3分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時7分に漏えい等の異常がないことを確認。
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクCからの排水準備が進む
※ 一時貯水タンクは浄化後のサブドレン・地下水ドレン水を海洋排出前に一時貯水するもので「サンプルタンク」とも呼ばれる。
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクCの分析結果[採取日2月4日]については、運用目標値を満足していることを確認。
サブドレン・地下水ドレン 集水タンクの分析結果(2月2日採取分)
※ 集水タンクはサブドレン・地下水ドレンから汲み上げた水を浄化施設に送る前に貯えておくタンクのこと。
地下水バイパス 通算102回目の海洋排水を終了。排出量は1,532トン
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ2の分析結果[採取日1月28日]については、運用目標値を満足していることを確認。2月9日午前9時55分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時15分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)
その後、午後4時1分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は1,532m3。
地下水バイパス 揚水井の分析結果(2月8日サンプル採取)揚水井No.10のトリチウム濃度は依然高いレベル
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
2月9日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
◆H4エリア
◎日報に新規事項の記載なし
H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 2/1 2/2 2/3 2/4 2/5 2/6 2/7 2/8
E-1 10,000 8,600 7,700 7,600 8,100 6,900 7,600 8,900
浪江雨量(mm)0.0 0.0 0.0 ] 0.0 0.0 1.5 0.0 0.0
記号 ]:統計を行う対象資料が許容範囲を超えて欠けている(資料不足値)
◆H6エリア
◎日報に新規事項の記載なし
最終更新: