1月12日(火曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。
※ 情報を追加して更新します
4000t角形鋼製タンク群付近で、フランジ取り外し中の協力企業作業員が左手人差指を負傷
※2016年1月12日午前9時50分頃、福島第一原子力発電所構内の4000t角形鋼製タンク群付近において、フランジ取り外し作業を行っていた協力企業作業員が左手人差指を負傷。その後、入退域管理施設救急医療室にて医師の診察を受けたところ、緊急搬送の必要があると診断されたことから、同日午前10時18分に救急車を要請し、いわき市内の病院へ搬送。当該作業員に意識はあり、身体に放射性物質の付着はない。
1~6号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール
◎日報に新規事項の記載なし
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
水処理設備および貯蔵設備 セシウム吸着装置を「停止」。増設多核種除去設備を「停止」
・セシウム吸着装置停止中
・増設多核種除去設備停止中
その他の項目に新規事項の記載なし
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)運転中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクCから海洋排水を実施。排出量は914トン
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクCの分析結果[採取日2015年12月30日]については、運用目標値を満足していることを確認。2016年1月11日午前10時10分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時25分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)
その後、同日午後4時33分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は914m3。
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクDから海洋排水を開始
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクDの分析結果[採取日2016年1月1日]については、運用目標値を満足していることを確認。2016年1月12日午前10時8分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時23分に漏えい等の異常がないことを確認。
地下水バイパス 海洋排出の準備進む(通算98回目)
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ3の分析結果[採取日2015年12月31日]については、運用目標値を満足していることを確認。
地下水バイパス 揚水井の詳細分析結果(12月3日採取分)
地下水バイパス 11月分の加重平均サンプル分析結果。11月の排出は合計6,547トン
【注目点】セシウム-134、セシウム-137、全アルファ、全ベータ、ストロンチム-90はいずれも検出限界値未満。トリチウムは150(第三者機関では160)Bq/L。排出回数は4回で10月と同じながら、累計排水量は10月の8,055トンに比べて減少した。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
1月11日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 1/3 1/4 1/5 1/6 1/7 1/8 1/9 1/10
E-1 7,500 8,000 8,700 7,700 8,100 8,600 9,100 9,100
浪江雨量(mm)0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H6エリア周辺地下水【G-1】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 1/3 1/4 1/5 1/6 1/7 1/8 1/9 1/10
G-1 180 180 130 ND(110)170 140 200 180
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
H6エリア周辺地下水【G-2】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 1/3 1/4 1/5 1/6 1/7 1/8 1/9 1/10
G-2 240 300 300 250 250 350 290 240
浪江雨量(mm)0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
H6エリア周辺地下水【G-3】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 1/3 1/4 1/5 1/6 1/7 1/8 1/9 1/10
G-3 840 880 920 990 960 890 960 960
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
*NDは検出限界値未満を表し、( )内に検出限界値を示す。
1~4号機タービン建屋東側 地下水観測孔No.2-5の全ベータが大幅に上昇して過去最高値。地下水観測孔No.3-4のトリチウムも過去最高値
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
<過去最高値>地下水観測孔No.2-5
全ベータ:560,000Bq/L(2016.01.11)
これまでの最高値:400,000Bq/L(2015.12.28)
【注目点】4メートル盤とも呼ばれる海抜の低いエリアの建屋側(山側)にある地下水観測孔No.2-5で年末のサンプル測定以来、大きく濃度が上昇。海側遮水壁の閉合や陸側の凍土式遮水壁の不調と地下水位上昇の関連や、地中の汚染物質の動きの変化が懸念される。No.2-5は「採水器による採取であるため、γ測定は実施せず。全βは参考値としてろ過後に測定」との注釈が付けられている観測孔。採取器でサンプルを採ることがガンマ測定をしない理由として正当かどうかは大いに疑問だが、ベータ核種もろ過によって減少する傾向があるため、実際の濃度はさらに高い可能性がある。
<過去最高値>地下水観測孔No.3-4
トリチウム(H3):3,900Bq/L(2016.01.07)
これまでの最高値:3,800Bq/L(2015.12.31)
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
1~3号機放水路
◎日報に新規事項の記載なし
K排水路
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
関連データ(東京電力以外のサイト)
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