12月11日(金曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。
※ 情報を追加して更新します
2号機使用済み燃料プール冷却を停止。電源切替盤点検のため
※2号機使用済燃料プール(以下SFP)代替冷却系について、電源切替盤の点検のため、12月11日午前5時53分に停止。冷却停止時のSFP水温度は18.4℃。
2号機SFP代替冷却系停止時のSFP水の温度上昇率は約0.132℃/hであり、停止中(約14時間)のSFP水温度上昇は最大で約1.9℃と評価しており、運転上の制限値65℃に対して余裕があることから、SFP水温度の管理上は問題ない。
1~6号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
◎日報に新規事項の記載なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクBから海洋排水を実施。排出量は974トン
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクBの当社および第三者機関による分析結果[採取日11月30日]については同等の値であり、運用目標値を満足していることを確認したことから、12月10日午前10時13分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時20分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)
その後、12月10日午後4時55分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は974m3。
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクCからの排水準備が進む
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクCの当社および第三者機関による分析結果[採取日12月2日]については同等の値であり、運用目標値を満足していることを確認。
サブドレン・地下水ドレン 集水タンクの分析結果(11月30日採取分)
地下水バイパス
◎日報に新規事項の記載なし
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
12月10日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 12/2 12/3 12/4 12/5 12/6 12/7 12/8 12/9
E-1 2,100 2,000 1,800 1,700 2,400 1,400 1,800 1,700
浪江雨量(mm)0.0 0.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
H4エリア周辺地下水【E-9】の全ベータは1,600Bq/L
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H6エリア周辺地下水【G-1】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 12/2 12/3 12/4 12/5 12/6 12/7 12/8 12/9
G-1 2,400 1,700 1,700 1,100 1,300 560 1,100 320
浪江雨量(mm) 0.0 0.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
H6エリア周辺地下水【G-2】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 12/2 12/3 12/4 12/5 12/6 12/7 12/8 12/9
G-2 640 640 680 590 530 550 520 500
浪江雨量(mm)0.0 0.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
1~4号機タービン建屋東側
◎日報に新規事項の記載なし
最終更新: