10月19日(月曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。
※ 情報を追加して更新します
汚染水の濃縮を行う淡水化装置(RO-2)で漏水。発表された写真では弁が完全に破断
※10月19日午前7時36分頃、構内の淡水化装置(RO-2)において、「ROユニット2異常」の警報が発生したため、現場状況を確認したところ、同日午前7時55分に同装置の処理水槽付近から水が漏えいしていることを協力企業作業員が確認。同日午前7時55分、同装置を停止。
漏えいは、当該装置周辺に設置されている堰内に留まっており、外部への流出はなくその後、午前8時10分頃、漏えい個所近傍に設置されている弁を閉とし、漏えいが停止したことを確認。
現場状況を確認した結果、淡水化装置(RO-2)処理水槽の出口配管に接続されている薬品注入用配管に設置された弁が破損し、そこから処理水が漏えいしたことが判明。漏えい範囲は約10m×約10m、深さは最大で約1cmあり、漏えい量は最大でも約1m3と推定。
漏えいした水は、午後1時20分から午後2時5分にかけて回収。漏えい原因等は、引き続き調査を実施している。
漏えい水の分析結果は以下の通り。
・セシウム134 : 1.2×10^2Bq/L
・セシウム137 : 4.3×10^2Bq/L
・全ベータ : 1.7×10^4Bq/L
漏えい水の分析結果を整数表記すると以下のとおり
・セシウム134 : 120Bq/L
・セシウム137 : 430Bq/L
・全ベータ : 17000Bq/L
東京電力の発表によると、漏洩したのはRO装置で濃縮された極めて高い汚染塩水ではなく、ろ過された処理水であったと考えられる。これは不幸中の幸いと言うほかない。現場の写真を見ると、弁が付け根からポッキリと完全に破断しているのが分かる。弁に何らかの形で大きな負荷が掛かったのか、あるいは素材の劣化や損傷がなかったのか、非常に高い濃度の汚染水を処理する施設内での事故だけに、綿密な調査と情報公開を期待したい。
1~3号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
4号機 FSTR建屋から4号機廃棄物処理建屋への滞留水移送完了を発表
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
・FSTR建屋から4号機廃棄物処理建屋の滞留水移送完了(10月16日11時10分~10月19日午後0時11分)。
5~6号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール
◎日報に新規事項の記載なし
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
水処理設備および貯蔵設備 RO-2は停止、RO-3は運転中
・RO淡水化装置RO-2は停止、RO-3は運転中。
その他の項目に新規事項なし
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクCから海洋排水を停止。排出量は800トン
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクCの当社および第三者機関による分析結果[採取日10月7日]については同等の値であり、運用目標値を満足していたことから、10月18日午前10時3分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時18分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)
その後、午後3時34分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は800m3。
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクDからの排水準備が進む
また、一時貯水タンクDの当社および第三者機関による分析結果[採取日10月9日]については同等の値であり、運用目標値を満足していたことから、10月20日に海洋への排水を開始する予定。
地下水バイパス
◎日報に新規事項の記載なし
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
<最新のパトロール結果>
10月18日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 10/11 10/12 10/13 10/14 10/15 10/16 10/17
E-1 16,000 17,000 17,000 11,000 9,500 8,200 6,800
浪江雨量(mm) 0.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H6エリア周辺地下水【G-1】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 10/11 10/12 10/13 10/14 10/15 10/16 10/17
G-1 1,400 1,500 1,200 1,300 740 2,700 890
浪江雨量(mm) 0.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
H6エリア周辺地下水【G-2】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 10/11 10/12 10/13 10/14 10/15 10/16 10/17
G-2 740 590 600 530 510 510 440
浪江雨量(mm) 0.5 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
1~4号機タービン建屋東側
◎日報に新規事項の記載なし
地下貯水槽
◎日報に新規事項の記載なし
1~3号機放水路
◎日報に新規事項の記載なし
K排水路
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
関連データ(東京電力以外のサイト)
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