9月26日(土曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
※ 情報を追加して更新します
高濃度の汚染物を収容する高性能容器(HIC)の水漏れ調査は3巡目に。今後も継続して調査し続けることが求められる
※セシウム吸着塔一時保管施設第二施設に保管されているHICについては、7月22日より行っていた2巡目の点検(水溜まりの確認)が9月10日に完了し、9月14日より3巡目の点検を実施中。
2巡目の点検結果については、全685基の点検を実施し、8月19日時点で232基の点検を実施時に、新たに2基のHICについて、吸水ブロックに水が染み込んでいることを確認以降、新たに吸水ブロックに水が染み込んでいることが確認されたHICは認められていない。
このことから、1巡目と2巡目の点検で水溜りが確認されたHICは合計で34基。3巡目の点検については、9月24日時点で99基の点検を実施しており、新たに吸水ブロックに水が染み込んでいることが確認されたHICは認められていない。
また、セシウム吸着塔一時保管施設第三施設に保管されているHICについては、9月24日時点で184基の点検を実施しており、新たに水溜まりが確認されたHICは認められていない。引き続き、HICの点検を行うとともに、原因調査を行う予定。
1号機 タービン建屋地下の高濃度滞留水の移送を実施→停止
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送
・1号機タービン建屋地下→1号機廃棄物処理建屋へ高濃度滞留水を移送実施(2015年9月25日午後5時58分~9月26日午前9時56分)
※ 建屋地下からの滞留水移送は15時間58分の可動の後、停止中
2号機 タービン建屋地下の高濃度滞留水の移送を再開(移送先は高温焼却炉建屋)
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送実施中(2015年9月25日午後5時3分~)
※ 建屋地下からの滞留水移送は実施中
※ 9月24日、原子炉建屋地下、廃棄物処理建屋地下、タービン建屋地下からそれぞれ集中廃棄物処理施設へ移送されていたものを停止した後、9月26日に移送を再開した際にはタービン建屋地下からのみの移送として表記された。
3号機 タービン建屋地下の高濃度滞留水移送を再開。移送先はプロセス主建屋
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ高濃度滞留水を移送実施中(2015年9月25日午後5時7分~)
4~5号機
新規事項なし
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
6号機 使用済燃料プール冷却系を9月28日にに2時間停止の予定。系統内清掃のため
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
※6号機使用済燃料プール冷却系の除熱系統である6号機補機冷却海水系について、系統内清掃のため、9月28日に約2時間停止予定。
9月25日の午後3時現在の使用済燃料プール水温度は25.9℃であり、除熱系統停止時における使用済燃料プール水の温度上昇率評価値は0.245℃/hであり、除熱系統停止中のプール水温上昇は1℃未満と評価されることから、運転上の制限値65℃に対して余裕があり、使用済燃料プール水温度の管理上問題ない。
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・RO濃縮水処理設備運転中
地下水バイパス
新規事項なし
地下水バイパス揚水井の分析結果。揚水井No.10は引き続き最高値の2,100ベクレル
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
9月25日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 9/18 9/19 9/20 9/21 9/22 9/23 9/24
E-1 31,000 28,000 29,000 29,000 29,000 24,000 27,000
浪江雨量(mm) 11.0 1.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
H6エリア周辺地下水G-2のトリチウム濃度が、過去最高値を大幅に上回る17,000ベクレル
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H6エリア周辺地下水【G-1】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 9/17 9/18 9/19 9/20 9/21 9/22 9/23 9/24
G-1 3,400 3,600 4,400 4,300 3,800 2,800 3,300 3,100
浪江雨量(mm) 50.5 11.0 1.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
H6エリア周辺地下水【G-2】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 9/17 9/18 9/19 9/20 9/21 9/22 9/23 9/24
G-2 9,800 9,400 5,800 2,600 10,000 7,100 8,600 17,000
浪江雨量(mm) 50.5 11.0 1.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
最終更新: