2015年9月14日 今日の東電プレスリリース

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サブドレン・地下水ドレン計画の排水が始まる

9月14日(月曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。

「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)
「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)
 福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年9月14日
www.tepco.co.jp  
【まとめ】今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
 【まとめ】今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
potaru.com

※ 情報を追加して更新します

1~2号機

新規事項なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中

※ タービン建屋地下滞留水の移送は停止中

◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送実施中(2015年9月11日午後4時58分~)

※ タービン建屋地下滞留水の移送は実施中

3号機 タービン建屋地下の高濃度滞留水の移送を再開(移送先はプロセス主建屋)

・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に実施中

・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ高濃度滞留水を移送開始(2015年9月14日午前10時14分~)

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年9月14日

※ タービン建屋地下滞留水の移送は実施中

4~6号機

新規事項なし

◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。

◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備

新規事項なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・RO濃縮水処理設備運転中

地下水バイパス

新規事項なし

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

9月13日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、堰床部に溜まっている雨水の影響により70μm線量当量率の測定を一部実施できないところを除き、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)において異常がないことを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年9月14日

H4エリアE-2の全ベータ上昇は、外堰の水が混入したためと発表

<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果について、H4エリア周辺(E-2)の全ベータ放射能の値が前回値(9月8日採取分:検出限界値未満(検出限界値:17Bq/L))から200Bq/Lと上昇したが、大雨の影響により当該観測孔にH4北タンクエリア外堰内の水が混入したことによるものと考えられる。その他の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年9月14日

 福島第一原子力発電所構内H4エリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果について (H4エリア周辺)|東京電力 平成27年9月14日
www.tepco.co.jp  

H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 9/6 9/7 9/8 9/9 9/10 9/11 9/12
E-1 25,000 46,000 37,000 37,000 40,000 ※ 35,000
浪江雨量(mm) 36.5 35.5 40.5 79.5 39.0 93.5 0.0

H4エリア周辺地下水【E-2】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 9/7 9/8 9/9 9/10 9/11 9/12
E-2 ND(13) ND(17) ★ ※ 200
浪江雨量(mm) 35.5 40.5 79.5 39.0 93.5 0.0

※ 悪天候により採取中止
★ 降雨による冠水のため採取出来ず

観測孔1(福島第一原子力発電所 地下水観測孔画像)撮影日:平成25年7月12日 東京電力株式会社

観測孔1(福島第一原子力発電所 地下水観測孔画像)撮影日:平成25年7月12日 東京電力株式会社

photo.tepco.co.jp

※ 資料の記載を遡ると、前日の採取(11日)は「悪天候により採取中止」、10日と9日については「降雨による冠水のため採取出来ず」となっている。

地下水のサンプルをとっている孔がどのような形態なのか不明だが、堰の中の水が混入するようではサンプル採取にそもそも不適なのではないだろうか。

ちなみに、海に近いエリアの「地下水観測孔」は右の写真のような形態。

タンクエリアの観測用の孔が同様なら、堰の中の水が混入することはなさそうだが。

H6エリア G-1のトリチウム濃度は2,900ベクレルと高止まり

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年9月14日

 福島第一原子力発電所構内H6エリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果について (H6エリア周辺)|東京電力 平成27年9月14日
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H6エリア周辺地下水【G-1】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 9/6 9/7 9/8 9/9 9/10 9/11 9/12
G-1 3,300 3,400 2,300 170 3,300 ※ 2,900
浪江雨量(mm) 36.5 35.5 40.5 79.5 39.0 93.5 0.0

H6エリア周辺地下水【G-2】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 9/6 9/7 9/8 9/9 9/10 9/11 9/12
G-2 800 5,700 550 190 130 ※ 200
浪江雨量(mm) 36.5 35.5 40.5 79.5 39.0 93.5 0.0

※ 悪天候により採取中止

1~4号機タービン建屋東側

新規事項なし

 福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果|東京電力 平成27年9月14日
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サブドレン・地下水ドレン 港湾内への排水を実施

※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクAの分析結果[採取日8月19日]が当社および第三者機関による分析結果が同等の値であり、運用目標値を満足していることを確認したことから、(既出)

9月14日午前10時1分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時23分に漏えい等の異常がないことを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年9月14日

「サブドレン他水処理施設 免震重要棟における操作状況」撮影日:2015年9月14日 東京電力株式会社
「サブドレン他水処理施設 免震重要棟における操作状況」撮影日:2015年9月14日 東京電力株式会社

photo.tepco.co.jp

 映像|写真・映像ライブラリー|東京電力
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サブドレン他水処理施設 一時貯水タンクからの排水開始(01:39)の動画が掲載されている

「10時02分10秒頃、撮影…」という声
「10時02分10秒頃、撮影…」という声
「10時03分、概ね安定です」の声
「10時03分、概ね安定です」の声
東京電力「2015/09/14(月)サブドレン他水処理施設 一時貯水タンクからの排水開始」動画からキャプチャ
東京電力「2015/09/14(月)サブドレン他水処理施設 一時貯水タンクからの排水開始」動画からキャプチャ

排水開始直後は激しく海面が波立つが、1分ほどで静かになる。排水が終わったのかと思うほど。しかし「10時03分、概ね安定です」の声が聞こえてくることから、海水面を荒立てずに排水することを意図していることが分かる。地下水バイパスの排水口はK排水路の出口付近に設置されて、空中からジャバジャバ水を出していたが、たしかにこの排水のやり方であれば、周辺の作業の邪魔にならないくらい静かにサブドレン水・地下水ドレン水を海に流すことができるだろう。

サブドレン・地下水ドレン 次回の排水は9月15日

※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクBの分析結果[採取日8月19日]が当社および第三者機関による分析結果が同等の値であり、運用目標値を満足していることを確認したことから、9月15日に海洋への排水を行う。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年9月14日

 福島第一原子力発電所 サブドレン・地下水ドレン浄化水の分析結果|東京電力 平成27年9月14日
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地下貯水槽

新規事項なし

1~3号機放水路

新規事項なし

K排水路の状況

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と同様に降雨の影響により上昇した値が継続しているが、過去の変動範囲内に収まっている。引き続き、継続監視を行う。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年9月14日

 福島第一原子力発電所 K排水路排水口放射能分析結果|東京電力 平成27年9月14日
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福島第一原子力発電所 K排水路排水口放射能分析結果|東京電力 平成27年9月14日
福島第一原子力発電所 K排水路排水口放射能分析結果|東京電力 平成27年9月14日

関連データ(東京電力以外のサイト)

 [浪江]2015年9月(日ごとの値)主な要素 | 気象庁|過去の気象データ検索
www.data.jma.go.jp  

【福島第一原発から約10kmに位置する気象庁のアメダス「浪江」の気象データ】

9月14日の降水量合計は0.0mm 気温は最高 24.7℃、最低 13.0℃ 日照時間 2.2
 最大風速 3.1 北 最大瞬間風速 6.4 北北西
9月13日の降水量合計は0.0mm 気温は最高 28.5℃、最低 16.4℃ 日照時間 5.1
 最大風速 2.9 西 最大瞬間風速 5.4 西
9月12日の降水量合計は0.0mm 気温は最高 27.6℃、最低 14.0℃ 日照時間 10.9
 最大風速 4.0 南東 最大瞬間風速 6.9 南

●最大風速とは10分間の風速の平均値である平均風速のうち、その日最大のもの。瞬間最大風速は、文字通り瞬間ごとの風速の最大値。
●●10分間の平均風速が10メートルを超える場合には、クレーン作業など屋内作業を停止しなければならない場合がある。

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