第88回の甲子園と言えば、駒大苫小牧の田中将大と早稲田実業のハンカチ王子こと斎藤佑樹の延長15回引き分け再試合の決勝戦があった大会です。
この激戦は甲子園史上最高の試合に挙げる人も少なくありません。
そしてこの激戦の3日前の準々決勝。これが私の『今までで1番忘れられない試合』です^^
2006年8月17日。智辯和歌山 対 帝京がそれです。
この試合は今大会ここまで3本のホームランを打っている広井亮介くんと1年生から智辯和歌山の4番を打っている橋本良平くんの3番4番コンビに注目していました。
試合は智辯和歌山が有利な展開で進む
試合は2回に7番バッター馬場くんの3ランで先制しました。帝京打線も4回に3本の二塁打で2点を返しました。
しかし4回も馬場くんのこの日2本目となるホームランと2番バッター上羽くんのホームランで再び帝京を突き離しました。
-------------------------------------------帝京 000 2 | 2
智辯和歌山 030 3 | 6
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そして7回、期待していた智辯和歌山の広井くんに大会4本目の2ランホームランが飛び出します。
これで8-2。試合は決まったかに思われました。
-------------------------------------------帝京 000 200 0 | 2
智辯和歌山 030 300 2 | 8
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帝京はここでピッチャーを3番手の大田阿斗里くんに交代します。聞いたことある名前かもしれませんね。そう、現横浜ベイスターズの大田阿斗里です。大田くんは後続をピシャリと抑えます。そして帝京は8回表に5番塩沢くんの2ランで8-4としました。帝京のマウンドの大田くんは8回、智辯和歌山打線を3人で抑えます。
-------------------------------------------帝京 000 200 02 | 4
智辯和歌山 030 300 20 | 8
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9回帝京2アウトからの猛攻撃!
9回帝京は好投していた大田くんからの打順でしたが代打沼田くんを送ります。
大田くんは登録していた3人のピッチャーのうちの3番手で登板。ここで代打ということは、次のピッチャーはもういないということは沼田くん本人もわかっていたでしょう。しかし沼田くんはサードゴロに倒れてしまい1アウト。
先頭に戻って1番2番がヒットと死球で1アウト1,2塁としますが続く3番好打者キャプテンの野口くんが3球三振に倒れてしまい完全に後がなくなってしまいました。
しかし、ここからです。
4番2年生の中村晃くんがヒットで出塁。この中村晃は高校通算60本、現在もソフトバンクホークスで活躍する中村選手です。
キャプテンの野口くんは自分は倒れてしまいましたが、そのあとバッターボックスに向かう一人ひとりにネクストで声をかけている姿が印象的でした。帝京は中村くんのヒットから5連打で試合をひっくり返しました。逆転した5連打目を打ったのは現日本ハムファイターズの杉谷です。この時はまだ1年生でした。
そして打者は一巡してこの回代打で出た沼田くんにまわってきました。
先ほどは好投していた大田くんの代打で登場してサードゴロに倒れてしまっています。
まさかまわってくるとは思ってもみなかった、このイニング2回目の打席です。
沼田くん、レフト中段にホームランです!
これは鳥肌が立ちましたね。
沼田くんはしっかり準備ができていたんですね。好投していた最後のピッチャーのところで代打、そして凡退。ここから気持ちを切り替えた沼田くんはものすごいとしかいいようがないです。
そして帝京は9回ツーアウトという絶体絶命のピンチからなんと8点を取ったのです!
-------------------------------------------帝京 000 200 028 | 12
智辯和歌山 030 300 20 | 8
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そして9回裏、再びドラマが、、、
今度は智辯和歌山が追い詰められました。
帝京のピッチャーは先ほど代打が送られたので勝見くんがマウンドに上がりました。帝京はピッチャー登録の3人を使い切ってしまっています。マウンドに立った勝見くんは地方大会も含めて1度も投げていません。
2番3番と連続フォアボールのあと、智辯和歌山は4番の橋本くんに打順がまわってきました。その橋本くん、左中間に特大の3ランホームランを打ちました。これで12-11となり、得点差はわずかに1点になりました。
次の打者にフォアボールを出したところで、ピッチャーは1年生の杉谷くんに交代。
しかし杉谷くん、初球デッドボールを与えてしまい、1球で降板。ピッチャーは6人目の岡野くんになります。ノーアウト1,2塁でバッターはこの日、2ホームランの馬場くんにまわってきました。馬場くんはレフトフライに倒れますが、ここで智辯和歌山は青石くんを代打に起用しました。青石くん見事に期待に応えてセンター前ヒット!ついに智辯和歌山は12-12の同点に追いついきました。
この場面でヒット。すごい集中力ですね。代打の青石くんは相当なプレッシャーだったと思います。見事です!
そして次の9番打者には1つのストライクも入らずフォアボールをを与えてしまいました。これで1アウト満塁です。打順は先頭のキャプテン古宮くんにまわりました。
カウント2-3からインコースを攻めた球はわずかにボール。サヨナラ押し出しという形で長い試合が終わりました。
-------------------------------------------帝京 000 200 028 | 12
智辯和歌山 030 300 205X | 13
-------------------------------------------両チームあわせてホームラン7本!最終回4点差をひっくり返した帝京。
そして4点リードされた9回ウラに5点取ってサヨナラ勝ちを決めた智辯和歌山。
本当に壮絶な試合でした。
この大会はこのあとの決勝戦が延長15回引き分け再試合という、これまた劇的な試合だったのでそちらの印象が強い人も多いと思います。
最後に、、、
長く甲子園を見てきて一番忘れなれない試合です。
そして野球の怖さを知らされた試合でもありました。
そう、『野球』というスポーツが他のスポーツと決定的に違うところは『残り1秒』がないところです。
最後の1つのアウトを取るまでは試合は時間制限なく永遠と続きます。
『野球はツーアウトから』という言葉があるように最後の1つのアウトを取るまでは、どちらのチームも勝つ可能性があるということなのです。
『野球』だから筋書きがないドラマが生まれるのかもしれません。
だから野球はおもしろい。
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