5月21日(木曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
1号機建屋カバーからの飛散防止剤散布を終了
※1号機の原子炉建屋カバー屋根パネルからの飛散防止剤の散布について、5月15日より屋根パネル貫通孔からの飛散防止剤散布を実施していたが、5月20日午後1時11分に散布が終了。当該作業期間中において、ダストモニタおよびモニタリングポストのダスト濃度等に、有意な変動はなかった。
1号機~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
※タービン建屋地下滞留水の移送は停止中
◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年5月19日午後3時53分~)
※タービン建屋地下滞留水の移送は稼働中
◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(2015年5月19日午後3時40分~)
※タービン建屋地下滞留水の移送は稼働中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・原子炉から使用済燃料プールへ燃料移動中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・RO濃縮水処理設備運転中
地下水バイパス
新規事項なし
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
5月20日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
5月20日に採取したH4エリア周辺地下水測定点E-9の全ベータ値が、5月18日に採取した測定値1,200Bq/Lから20,000Bq/Lと10倍以上に上昇していることを確認。その他の測定点については、5月19日採取の全ベータおよびトリチウムの値並びに5月20日採取の全ベータの値について、前回と比較して有意な変動はない。また、5月20日採取の排水路、南放水口付近のガンマおよび全ベータの値は前回と比較して有意な変動はない。このことから、新たな流入はないものと考えている。次回の試料採取により状況を確認し、今後も監視を継続していく。
<過去最高値>H4エリア周辺地下水 E-9
全ベータ:20,000 Bq/L(5月20日採取分)
前回5月18日採取分は 1,200 Bq/L
これまでの最高値:14,000 Bq/L(2014年10月8日採取分)
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
<H6周辺地下水G-1のトリチウム値>
3月17日採取分で過去最高値 3,400Bq/Lを記録して以来、それまでの週1発表から毎日発表になっている。
3月17日採取 3,400Bq/L
(中略)
4月25日採取 980Bq/L
4月26日採取 2,000Bq/L
4月27日採取 760Bq/L ※雨は降っていないのに大きく増減
4月28日採取 1,000Bq/L
4月29日採取 550Bq/L
(中略)
5月11日採取 210Bq/L ※減少傾向は見られるものの変動幅が大きい
5月12日採取 120Bq/L
5月13日採取 200Bq/L
5月14日採取 160Bq/L
5月15日採取 140Bq/L
5月16日採取 悪天候により採取中止
5月17日採取 ND(検出限界値:110Bq/L)
5月18日採取 160Bq/L
5月19日採取 230Bq/L
※ 3月10日(最高値の前回測定)の値は 480Bq/L
3月3日はND(検出限界値:10Bq/L)
<H6周辺地下水G-2のトリチウム値>
4月20日採取 380Bq/L
4月21日採取 2,500Bq/L ※大幅に上昇
4月22日採取 2,000Bq/L ※若干減少
4月23日採取 310Bq/L
4月24日採取 300Bq/L
(中略)
5月12日採取 210Bq/L
5月13日採取 340Bq/L
5月14日採取 210Bq/L
5月15日採取 180Bq/L
5月16日採取 悪天候により採取中止
5月17日採取 260Bq/L
5月18日採取 230Bq/L
5月19日採取 580Bq/L
※G-2のトリチウム値は、タンクからの汚染水漏れが発生から約1か月後の平成26年3月24日・25日に記録した7,000ベクレルがこれまでの最高値だが、27日には660ベクレルまで減少していた。
<H6周辺地下水G-3のトリチウム値>
漏洩タンクから最も遠いG-3もトリチウム値が上昇
4月27日採取 400Bq/L
4月28日採取 200Bq/L
4月29日採取 310Bq/L
4月30日採取 320Bq/L
5月1日採取 280Bq/L
(中略)
5月12日採取 350Bq/L
5月13日採取 440Bq/L
5月14日採取 330Bq/L
5月15日採取 370Bq/L
5月16日採取 悪天候により採取中止
5月17日採取 390Bq/L
5月18日採取 390Bq/L
5月19日採取 380Bq/L
※ 事故原発近隣の気象庁観測ポイント「浪江」の観測データでは、
5月19日の降水量合計は34.5mm
1~4号機タービン建屋東側
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
<過去最高値>3,4号機取水口間の海水
ストロンチウム-90:680Bq/L(2015年4月6日採取)
これまでの最高値:660Bq/L(2014年6月9日採取)
<過去最高値>4号スクリーンの海水
ストロンチウム-90:670Bq/L(2015年4月6日採取)
これまでの最高値:470Bq/L(2014年8月4日採取)
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
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