5月18日(月曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
1号機
新規事項なし
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
※滞留水移送は停止中
2号機 ~タービン建屋の高濃度滞留水の移送先を切り替え(移送先は3号機タービン建屋地下)
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送実施(2015年5月16日午前11時10分~5月18日午前10時5分)
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(2015年5月18日午前10時51分~)
※滞留水移送は稼働中
3号機 ~タービン建屋の高濃度滞留水の移送を停止
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送実施(2015年5月16日午前10時41分~5月18日午前9時41分)
※滞留水移送は停止中
4号機~6号機
新規事項なし
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・原子炉から使用済燃料プールへ燃料移動中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・RO濃縮水処理設備運転中
地下水バイパス ~通算64回目となる海洋排出の準備が進む
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ1の当社および第三者機関による分析結果[採取日5月8日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
5月17日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
5月16日のH4エリアのサンプリングは「悪天候により採取中止」
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
5月16日のH4エリアのサンプリングは「悪天候により採取中止」
※事故原発近隣の気象庁観測ポイント「浪江」の5月16日の気象データは下記の通り
5月16日の降水量合計は6.0mm。気温は最高 22.8℃、最低 12.2℃ 日照時間 1.2
最大風速 2.8m 東北東 最大瞬間風速 5.2m 北北西
1~4号機タービン建屋東側 〜地下水観測孔No.3、3,4号機ウェルポイント汲み上げ水のトリチウム(H-3)で過去最高値
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
<過去最高値>地下水観測孔No.3
トリチウム(H-3):4,300 Bq/L(5月13日採取)
これまでの最高値:3,800 Bq/L(2015年5月6日採取)
<過去最高値>3,4号機ウェルポイント汲み上げ水
トリチウム(H-3):690 Bq/L(5月13日採取)
これまでの最高値:520 Bq/L(2015年5月6日採取)
地下貯水槽
新規事項なし
1号機放水路
新規事項なし
関連データ(東京電力以外のサイト)
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成27年5月18日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
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