海水配管トレンチの充填高さは、まだ海面下9メートルレベル
12月15日(月曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
多核種除去設備全系統を起動。β線連続モニタ設置に伴う制御系改造が終了したため
※多核種除去設備(A系、B系、C系)について、出口放射能濃度が上昇した際の早期検知を目的としたβ線連続モニタ設置に伴う制御系改造を行うため、12月9日より全系統停止。(既出)
当該作業が終了したことから、12月14日午後5時53分までに全系統を起動。
第二セシウム吸着装置(サリー)を停止。ストロンチウム除去が可能なセシウム/ストロンチウム同時吸着塔への交換を行うため
※平成26年12月15日午前7時39分、第二セシウム吸着装置(サリー)について、現在のセシウム吸着塔からストロンチウム除去が可能なセシウム/ストロンチウム同時吸着塔への交換を行うため停止。
※ 続報が大いに期待される。
海水配管トレンチの閉塞工事について、充填の高さを速報(12月12日まで)
充填量の合計は、2,143立方メートル。12月12日の重点高さは、
立坑A O.P.-9.0m
立坑B O.P.-11.5m
立坑C O.P.-8.8m
立坑D O.P.-8.8m
(O.P.は工事の基準となる小名浜の平均海水面)
11月25日から工事が始まっているが、まだ海面下9メートルレベルの充填。
4号機燃料取出しに関するページを更新。4号機プールに残っているのは新燃料26体
12月8日のデータ更新時に比べて、2回のキャスク輸送で新燃料を44体、6号機の使用済み燃料プールへ運んだものと思われる。
1号機~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
※滞留水移送は停止中
◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(平成26年12月5日午前10時47分~)
※滞留水移送は実施中
◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ高濃度滞留水を移送中。(平成26年12月14日午前9時34分~)
※滞留水移送は実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール
新規事項なし
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
水処理設備および貯蔵設備 ~セシウム吸着装置を運転・第二セシウム吸着装置(サリー)を停止
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)停止中
以下の項目では新規事項なし(多核種除去設備は再起動したが)
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
地下水バイパス ~通算39回目となる海洋排出の準備が進む
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ2の当社および第三者機関による分析結果[採取日12月5日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。
毎回のようにトリチウム濃度が100前後という数値を見ていると、そんなものかと思ってしまいがちだが(WHOの飲料水水質ガイドラインも10,000であることだし)、原発事故前には事故原発がある大熊町や双葉町では「検出されず」や検出されても1前後だったことは忘れないでおきたい。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
12月14日のパトロールにおいて、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
最終更新: