1,2号機ウェルポイント近くの地下水観測孔で過去最高値を更新
11月21日(金曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発の現状を読み進めます。
1号機~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
※滞留水移送を停止
◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(平成26年11月13日午後3時7分~)
※滞留水移送は実施中
◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年11月5日午後4時14分~)
※滞留水移送は実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
地下水バイパス ~通算35回目となる海洋排出の準備が進む
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ3の当社および第三者機関による分析結果[採取日11月13日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
11月20日のパトロールにおいて、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側 ~ウェルポイント近くの地下水観測孔3カ所で過去最高の測定値
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆地下水観測孔No.1-17(9月1日採取)
ストロンチウム-90が490,000Bq/L(過去最高値は2014年8月4日の17,000Bq/L)
◆地下水観測孔No.1-8(11月17日採取)
トリチウム(H-3)が41,000Bq/L(過去最高値は2014年6月2日の33,000Bq/L)
◆地下水観測孔No.1-14(11月20日採取)
全ベータが31,000Bq/L(過去最高値は2014年10月3日の29,000Bq/L)
ストロンチウム-90は測定に時間が掛かるためサンプル採取日が古いと思われる。過去最高値を更新した3カ所とも、1,2号機タービン建屋の海側に位置し、とくにNo.1-17、No.1-8は11月10日採取分からマンガン-54、全ベータなどの核種で高い汚染度を示してきたウェルポイントのすぐ近くに位置している。
1~4号機サブドレン観測井
新規事項なし
※「福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果」のページでの該当するデータ公開も行われていない。
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
関連データ(東京電力以外のサイト)
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年11月21日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太
最終更新: