御嶽山の突然の噴火で、あらためて自然災害の恐ろしさを思い知らされている昨今、
東北地方のブロック紙「河北新報」で伝えられた防災に関するニュースを2題。
コンサート会場で地震避難訓練
いつ、どこで遭遇することになるか分からないのが自然災害。東日本大震災でも、ホールの客席で観客が地震におびえる映像や、ロビーの巨大な吊り天上が落下した様子が伝えられました。津波に襲われた町では客席が破壊されたところも数多くありました。
コンサート会場で地震避難訓練
コンサート開催中に大地震が発生した場合を想定した避難訓練が2日、多賀城市文化センターであった。職員と来場者ら約230人が参加し、心構えを新たにした。
訓練は、多賀城市の歌手伊達清隆さんが、小ホールで「千の風になって」「愛の賛歌」など十数曲を披露したところで緊急地震速報が流れ、震度5強の地震が起きた-という想定で行われた。
いつも自分が暮らしている町や職場なら、避難経路などあらかじめ考えていられるかもしれませんが、出先だったら……
館内にサイレンが流れ、拡声器を持った担当者が「慌てて外に飛び出さず、落下物に注意して頭を保護してお待ちください」と呼び掛けた。約130人がいた小ホールでは、車いす利用者を誘導し、けが人を担架で搬出。館内の料理実習室から火が出たとして、来場者を館外へと誘導した。
このような訓練を経験することで、「もしもいま自然災害に遭遇したら」と、どこにいる時でも頭の片隅で考えるようになれるかもしれません。
参加した同市下馬の主婦阿部みよしさん(84)は「文化センターは催事でよく来るので、地震が起きたときの心構えができた。コンサートも聴けてよかった」と話した。
全国に広がるといいですね。コンサートも聴けますし。
防災ラジオ、電源ない状態24%
こちらはハッとするニュース。見出しだけで「自分ちはどうだったっけ」と思ってしまいます。
一関市が2011年度から全世帯・事業所に無料配布している「FMあすも専用ラジオ」の4分の1が、コンセントにつないでいなかったり電池を入れていなかったりして聴けない状態にあることが、市の利用実態調査で分かった。
このラジオは災害時に自動起動して緊急情報を伝えてくれるもので、一関市が約5万台配布したもの。FMあすもは公設民営のラジオ局で普段は行政やイベントの情報、音楽などを放送し、緊急時には信号を発信してスイッチが入っていなくても自動的に起動するというすぐれもの。しかし電源がなければ起動しない。
調査でラジオの電源の状況を尋ねたところ、本来の使い方となる「コンセントに差し、電池も入れている」は32%にとどまった。「(電源を)取り付けていない」は24%に上った。
停電時に使えない「コンセントだけ」は30%、消耗していれば非常時に使えない恐れがある「電池だけ」は10%だった。
緊急時の準備はしっかりできているか、これを機会に再点検したいですね。
文●井上良太
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