米キュリオン社製? モバイル型ストロンチウム除去装置の通水試験開始
9月23日(火曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。
操作卓が落下した3号機プール水の分析結果とプラントパラメータ ~9月22日分
使用済燃料プール水の放射能分析の結果(採取日:9月22日)
・セシウム134:3.7×102 Bq/cm3
・セシウム137:1.1×103 Bq/cm3
・コバルト 60:1.6×100 Bq/cm3)
プラントパラメータ(9月22日午後4時現在)
・モニタリングポスト:有意な変化なし
・原子炉建屋オペフロ雰囲気線量:有意な変化なし
・使用済燃料プール水位:有意な変化なし
・スキマーサージタンク水位:有意な変化なし
リットル当たりの線量に換算
・セシウム134:370,000 Bq/L
・セシウム137:1,100,000 Bq/L
・コバルト 60:1,600 Bq/L
モバイル型ストロンチウム除去装置の通水試験開始
※汚染水処理強化のため、新たに設置を計画したモバイル型ストロンチウム除去装置の設置が完了したことから、9月23日午後1時1分よりRO濃縮水を用いた通水試験を開始。
モバイル型ストロンチウム除去装置はフィルタや吸着塔を収めた5つのコンテナから構成されるストロンチウム除去のためのプラント。ここで言うモバイルとは「可搬式」といった意味あいのようだ。ストロンチウムの濃度が高いRO濃縮水のタンク中の汚染水を処理する。この装置は米キュリオン社製と考えられ、G4タンクエリアに設置されている。設置場所は先日(9月4日)汚染水漏れが発生した現場のすぐ近くでもある。
1号機~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
※滞留水移送は停止中
◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年9月3日午前10時47分~)
※滞留水移送は運転中
◆3号機
1号機と同じ4項目
※滞留水移送は停止中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
地下水バイパス ~通算23回目の海洋排出開始
、9月23日午前10時3分、海洋への排水を開始。同日午前10時9分に漏えい等の異常がないことを確認。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
9月22日のパトロールにおいて、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機サブドレン観測井
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年9月23日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太
最終更新: