8月11日朝、石巻の復興マルシェで自転車を借りて海岸近くの町へ向かった。この夏のヒマワリは元気だろうか? ヒマワリの世話を続けた人たちと同じように、まちなかから自転車で行ってみたかったんだ。
日和山の山裾が北上川に迫る門脇町を走って南浜町に抜けると広い景色が広がる。折しも台風が接近中。低い空にはちぎれた雲が飛び、時折雨が叩きつけてくる。
海が近づくにつれて、道路の冠水した部分が増えてくる。
地盤沈下で水はけが悪くなったせいか、津波の塩分がなかなか抜けなくて、最初の年のヒマワリは育てるのが大変だったらしい。
アスファルトがはがれた場所は、まるで湿地帯そのものだ。でもこの先にヒマワリが咲いているのが見えたから行ってみる。
海からの強い風にあおられながら咲いているヒマワリたちがいた。でも、こんな空模様だから、ほかに見に来る人もいないから、自転車を降りて、花の近くまで行ってみた。と、足が泥に取られる。自転車は倒れる。これは想像以上に過酷な環境。
ガマの穂まで生えてるくらいだ。(たくさんの人が住んでいた町だったのに)
津波の後、しばらくは頑張っていた松の木も、いまでは枯れたままの姿。
そんな中で、ヒマワリは咲いている。台風に煽られても負けず、けなげに咲いている。
minamihama20140810
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草に覆われた深い緑の町のなか、ところどころでヒマワリの花が揺れていた。
こんなに強い風の中でも。
今年のヒマワリは開花がとても早かったようで、石巻のヒマワリの育て主たちは「そろそろ種をとらなきゃね」と話していた。また来年も、太陽みたいな花を咲かせてもらうために。
石巻の海辺の町、南浜町や門脇町でもかさ上げ工事が始まるらしい。来年のヒマワリはどんな景色の中で咲くことになるのだろうか。(つづく)
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