2014年8月27日 今日の東電プレスリリース

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1号機の水素爆発を予防する窒素封入の別ルート。試験終了

8月27日(水曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。

 福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月27日
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[New!]今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
 [New!]今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
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追いつめられた1号機への窒素注入。まずは新ルートの試験終了。パラメータ等に有意な変動はなし

※1号機におけるジェットポンプ計装ラックラインを用いたRPV内への窒素封入試験を7月28日から(ここまで既出)

8月27日にかけて実施。窒素封入試験中において、プラントパラメータ等の数値に有意な変動がないことを確認。なお、試験後の窒素封入状況については、試験実施前の窒素封入量に戻した。(原子炉圧力容器ヘッドスプレイライン窒素封入量:30Nm3/h)

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月27日

冷却系に不具合が発生するおそれ発覚(1年前)→ 冷却系の代替ルートとして使えるのは現在窒素封入に使っている圧力容器頂部のみ →圧力容器頂部の代わりにジェットポンプ計装ラックラインを窒素封入に活用できないかテスト。なんとか試験は無事終了した模様。しかし、圧力容器へのアクセス可能なラインはこれがラスト・ワンかもしれない。詳しくは下記のコラムで。

 「次の次」の手が見えない1号機のピンチ
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汐見坂付近、1.2キロにわたって油痕を残した車両を特定・修理実施

※8月23日、構内汐見坂から3号機タービン建屋に向かう路上に、車両から漏えいした油と思われる滴下跡があることを協力企業作業員が確認。その後、同日午後4時2分に一般回線にて双葉消防本部へ連絡。現場調査の結果、油と思われる滴下があった範囲は、汐見坂を上った先のNo.2ろ過水タンクから3号機タービン建屋までの路上に点在しており、当該箇所については吸着剤の散布を実施。(ここまで既報)

その後、車両の特定作業を実施した結果、オイルフィルタが変形し、エンジンオイルが減少している車両を確認したことから、この車両を油の漏えいした車両と判断。なお、変形したオイルフィルタについては交換を実施し、当該箇所の修理を完了。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月27日

1号機 ~高濃度滞留水の移送を再開(1号機原子炉建屋横の廃棄物処理建屋へ)

・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

加えて、タービン建屋地下に溜まった高濃度滞留水の移送再開を発表

・1号機タービン建屋地下→1号機廃棄物処理建屋へ高濃度滞留水を移送中(平成26年8月27日午前9時54分~)

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月27日

1号機周辺(Google Mapに加筆)
1号機周辺(Google Mapに加筆)

2号機 ~高濃度滞留水の移送を再開(3号機側へ)

1号機の4項目に加え、タービン建屋地下に溜まった高濃度滞留水の3号機タービン建屋地下への移送再開を発表

・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(平成26年8月27日午前10時37分~)

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月27日

3号機

新規事項なし

1号機の4項目に加え、

・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年8月19日午後4時18分~)

※滞留水移送は実施中

・使用済燃料プール内の燃料交換機本体撤去作業については、5月16日に当該作業で使用していたクローラクレーンに不具合が確認されたため、中断していた。その後、予定していたクローラクレーンの年次点検にあわせて、不具合箇所の修理が完了したことから、8月25日より当該作業を再開することとした。
作業の再開に伴い、燃料交換機撤去対象機器に残存している油が使用済燃料プール代替冷却系に混入することを防止するため、8月25日~10月中旬(予定)の間、原則毎週月曜日午前7時~土曜日午後4時の間、当該冷却系を停止する(停止時間は最長で129時間、毎週土曜日午後4時~月曜日午前7時の間は運転予定)。なお、冷却停止時の使用済燃料プール水温度は28.4℃、冷却停止時のプール水温度上昇率評価値は0.114℃/hで、停止中のプール水温上昇は約15℃と評価されることから、運転上の制限値65℃に対して余裕があり、使用済燃料プール水温度の管理上問題ない。また、水温は運転上の制限値65℃に十分な余裕を持った45℃を超えることがないよう、同冷却系停止前のプール水温度を29℃以下として管理する。
<作業実績>
8月25日午前5時50分停止(停止時温度:28.4℃)

4号機 ~使用済み燃料プールの冷却を再開

・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動(4号機原子炉建屋および共用プール建屋の天井クレーンと燃料交換機の年次点検により、一時中断)
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

・8月25日午前4時53分、使用済燃料プール代替冷却系について、当該系の循環冷却設備一次系フレキシブルチューブの交換等を行うため、冷却を停止(停止時プール水温度:27.3℃)。(ここまで既出)

その後、当該作業が終了したことから、8月26日午後6時37分に使用済燃料プール代替冷却系を起動。運転状態について異常はない。なお、起動後、系統水張りを同日午後6時53分から午後9時56分まで実施。現在、使用済燃料プール水温度は27.7℃であり、停止時の27.3℃からの上昇は運転上の制限値(65℃)に対して余裕があり、使用済燃料プール水温度の管理上問題はない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月27日

5号機~6号機

新規事項なし

◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備

新規事項なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中

地下水バイパス

新規事項なし

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

8月26日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月27日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月27日

◆H6エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月27日

1~4号機タービン建屋東側

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月27日

1~4号機サブドレン観測井

新規事項なし

地下貯水槽

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年8月27日

以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年8月27日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太

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