2014年9月3日 今日の東電プレスリリース

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3号機プールで操作卓落下事故後の注視が続く中、4号機プールからの使用済み燃料取出し作業は明日再開の見込み

9月3日(水曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。

 福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月3日
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操作卓が落下した3号機プール水の分析結果とプラントパラメータ ~9月2日分

使用済燃料プール水の放射能分析の結果(採取日:9月2日)
・セシウム134:2.2×10^2 Bq/cm3
・セシウム137:6.7×10^2 Bq/cm3
・コバルト 60:7.4×10^-1 Bq/cm3

プラントパラメータ(9月2日午後4時現在)
・モニタリングポスト:有意な変化なし
・原子炉建屋オペフロ雰囲気線量:有意な変化なし
・使用済燃料プール水位:有意な変化なし
・スキマーサージタンク水位:有意な変化なし
分析結果については、前回と比較して有意な変動がないこと、また、プラントパラメータに有意な変動がないことから、燃料破損等の兆候は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月3日

プール水分析結果をリットル当たりに換算すると

・セシウム134:220,000 Bq/L
・セシウム137:670.000 Bq/L
・コバルト 60:740 Bq/L

※筆者のミスによりセシウム134/137の結果でひと桁少ない数値を表記しました。お詫びして記事を訂正させていただきす。(上記の22万ベクレル、67万ベクレルが正確な換算値です)

4号機・共用プール ~天井クレーンの点検終了。燃料取出し作業を明日から再開へ

※燃料取り出しに使用している4号機原子炉建屋及び共用プール建屋の天井クレーンと燃料交換機の点検が終了したため、明日より燃料取り出しに係る作業を再開する。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月3日

1号機

新規事項なし

・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

※滞留水移送は停止中

2号機 ~高濃度滞留水の移送を再開。高温焼却炉建屋側へ

1号機と同じ4項目に加え、

・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年9月3日午前10時47分~)

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月3日

移送距離が長くなる集中廃棄物処理施設への移送は、タービン建屋地下水位の変動を抑える狙いがあると考えられる。トレンチの凍結止水へ挑戦はまだ継続中か。

※滞留水移送は運転中

3号機~6号機

新規事項なし

◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年8月19日午後4時18分~)

※滞留水移送は運転中

◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動(4号機原子炉建屋および共用プール建屋の天井クレーンと燃料交換機の年次点検により、一時中断)
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・9月2日午前5時23分、使用済燃料プール代替冷却系について、当該系の循環冷却設備一次系フレキシブルチューブの交換等を行うため、冷却を停止(停止時プール水温度:24.7℃)。停止期間は約60時間を予定しており、冷却停止時のプール水温度上昇率評価値は0.266℃/hであることから、停止中のプール水温上昇は約16℃と評価。運転上の制限値65℃に対して余裕があり、使用済燃料プール水温管理上問題はない。

◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備

新規事項なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中

地下水バイパス ~タンクグループ1から7回目(通算19回目)の海洋排出を実施

※1~4号機原子炉建屋等への地下水流入抑制対策として設置した地下水バイパス設備について、地下水バイパス一時貯留タンクグループ1の当社および第三者機関による分析結果[採取日8月25日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認したことから、

9月3日午前10時、海洋への排水を開始。同日午前10時17分に漏えい等の異常がないことを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月3日

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

9月2日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月3日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月3日

◆H6エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月3日

1~4号機タービン建屋東側

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月3日

1~4号機サブドレン観測井

新規事項なし

地下貯水槽

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月3日

以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年9月3日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太

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