3号機タービン建屋で漏えい検知器が誤作動
8月26日(火曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。
結露で誤作動→センサーを拭き取り→警報解除されず→当該漏えい検知器の誤動作と判断
※8月25日午後4時25分頃、3号機タービン建屋1階の北側給水加熱器の付近に設置した漏えい検知器が動作したことを示す警報が発生。詳細に現場を確認した結果、当該漏えい検知器が設置されている付近の配管から漏えいはなく、タービン建屋内の壁および床面全体が結露していた。このため、結露により当該漏えい検知器が動作したものと想定し、検出部の拭き取りを実施したが、警報が復帰しないことから、当該漏えい検知器の誤動作と判断。
事実をそのまま記しているのだろうが、ぶっきら棒に感じさせる書き方が残念。
ところで、誤作動と判断した当該漏えい検知器は、その後どうしたのだろうか?
1号機~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆2号機
1号機と同じ4項目
※滞留水移送の記載がないことから移送は停止中と思われる
◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、滞留水移送と使用済み燃料での作業について記載
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年8月19日午後4時18分~)
※滞留水移送は実施中
・使用済燃料プール内の燃料交換機本体撤去作業については、5月16日に当該作業で使用していたクローラクレーンに不具合が確認されたため、中断していた。その後、予定していたクローラクレーンの年次点検にあわせて、不具合箇所の修理が完了したことから、8月25日より当該作業を再開することとした。
作業の再開に伴い、燃料交換機撤去対象機器に残存している油が使用済燃料プール代替冷却系に混入することを防止するため、8月25日~10月中旬(予定)の間、原則毎週月曜日午前7時~土曜日午後4時の間、当該冷却系を停止する(停止時間は最長で129時間、毎週土曜日午後4時~月曜日午前7時の間は運転予定)。なお、冷却停止時の使用済燃料プール水温度は28.4℃、冷却停止時のプール水温度上昇率評価値は0.114℃/hで、停止中のプール水温上昇は約15℃と評価されることから、運転上の制限値65℃に対して余裕があり、使用済燃料プール水温度の管理上問題ない。また、水温は運転上の制限値65℃に十分な余裕を持った45℃を超えることがないよう、同冷却系停止前のプール水温度を29℃以下として管理する。
<作業実績>
8月25日午前5時50分停止(停止時温度:28.4℃)
◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動(4号機原子炉建屋および共用プール建屋の天井クレーンと燃料交換機の年次点検により、一時中断)
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・8月25日午前4時53分、使用済燃料プール代替冷却系について、当該系の循環冷却設備一次系フレキシブルチューブの交換等を行うため、冷却を停止(停止時プール水温度:27.3℃)。停止期間は約60時間を予定しており、冷却停止時のプール水温度上昇率評価値は0.266℃/hであることから、停止中のプール水温上昇は約16℃と評価。運転上の制限値65℃に対して余裕があり、使用済燃料プール水温管理上問題はない。
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
地下水バイパス ~通算17回目の海洋排出での海水サンプリング結果
8月24日午前10時から海洋への排水を開始。同日午前10時16分に漏えい等の異常がないことを確認。同日午後6時54分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。なお、排水量は2,203m3。(ここまで既出)
同日、この際の南放水口付近の海水についてサンプリングを実施し、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
8月25日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機サブドレン観測井
新規事項なし
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年8月26日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太
最終更新: