2月9日(日曜日)に公表された東京電力発表のリリース「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」をチェックします。今日のリリースは平穏さの中に、不安な内容が1点記載されたものになりました。
ちなみに今日は東京都知事選挙の投開票日です。
1号機,2号機(平成24年4月19日廃止)
新規事項(リリースではアンダーラインで表示)はありません。
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
3号機(平成24年4月19日廃止)
1,2号機と同様の4項目に加えて、「3号機タービン建屋→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年1月24日午後2時37分~)」との記載です。ここまでは前日と変わりありません。
しかし、続くアンダーライン表示は心配です。
3号機の新規事項
※平成26年2月9日午前8時15分頃、3号機原子炉建屋5階中央部近傍より、湯気が発生していることをカメラにて確認。同日午前8時24分時点のプラント状況、モニタリングポストの指示値等に異常は確認されていない(午前8時20分時点の気象データは、気温1.9℃、湿度94.0%)。
3号機の爆発を「核爆発だった」と指摘する専門家がいるほど、甚大な被害を被っている3号機での「湯気」です。
何らかの熱源があるから湯気が立つという考えられます。
記載には「モニタリングポストの指示値等に異常は確認されていない」と記されています。
さらに、「気象データは、気温1.9℃、湿度94.0%」とも。湿度が高く気温が低い条件なので、何らかの原因で飽和水蒸気量を超えた水蒸気が凝結して「湯気状」に見えた可能性を示唆しているようです。
あらゆる可能性を検討することは必要ですが、悪いケースを想定して原因究明に当たるのが「安全側に立つ」というスタンスです。
4号機〜6号機
新規事項はありません。
共用プールと水処理設備および貯蔵設備の状況
新規事項はないとのこと。
H4エリアタンクおよび周辺排水路の状況
最新のパトロール結果のみ新規事項としてアンダーライン表記。(日付以外は前日と変わりありません)
平成26年2月8日のパトロールにおいて、新たな高線量当量率箇所(β+γ線(70μm線量当量率))は確認されていない。また、堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
サンプリングの分析についても、
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側の状況
新規事項なし。
地下水観測孔からのサンプリング分析についても、今日は記載ありません。
地下貯水槽の状況
新規事項は、最新のサンプリング実績のみ。
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年2月9日分の変更箇所についてピックアップしました。
構成●井上良太
最終更新: