震災マニュアル ~ 震災に遭ったら(1戸建住宅 寝ているとき)

   地震や津波などの自然災害は人間の力で防ぐことはできません。また地震を予知することもできません。しかし、自然災害が発生した時に、どうやって身を守るのかを、事前に考え準備しておくことで、被害を食い止めることは不可能ではないはずです。

考えられる危険

・家具などの重量物が転倒してつぶされる・負傷して逃げるのが困難になる
・家具などの重量物によって逃げ道がふさがれる
・割れた窓ガラスや照明器具でけがをする
・揺れの少ない津波地震に気付かず津波に襲われる

   冬の早朝5時46分52秒に発生した阪神淡路大震災(兵庫県南部地震)では、多くの人がベッドの中で大地震に襲われました。部屋の中のタンスやテレビなどの重量物でけがをしたり、家具などに挟まれて脱出できなくなり亡くなった方が少なくありませんでした。

   大きな地震の時には、家具はバターンとただ倒れるだけではなく、まるで飛ぶように横に移動することがあるのをご存じですか。阪神・淡路大震災を経験された方の中には、「怪獣に部屋を持ちあげられてシェイクされたみたいだった」と話す人もいます。

   家具など寝室内にあるものが凶器にならないよう、事前にしっかり固定しておくことが大切です。また、地震とともに停電になることも考えられます。非常持ち出し袋やスニーカーなどの靴をベッドの下や枕元など、いざという時にもすぐに手が届く場所に置いておくことがお勧めです。

   大きな非常用袋でなくても、ライトと笛(ホイッスル)、持病薬など最低限のものをポーチなどに詰めて、置いておくのもいいでしょう。

   靴の準備が大切なのは、ガラスの破片などから足を守るためばかりでなく、危険な状態になった屋内からの脱出や、脱出後の避難などで必要だからです。

   最後に「津波地震」について説明します。マグニチュードが大きな地震なのに震源の破壊がゆるやかに進むために感じにくい、しかし大きな津波を引き起こす地震があります。明治29年に岩手県沖で発生した明治三陸地震はそんな性格の地震でした。マグニチュードは8以上だったにも関わらず、各地の震度は2~3。しかも発生が午後7時半で暗くなっていたため、多くの人が津波に気付かず、2万人を超える死者を出してしまいました。

   このようなタイプの地震から生き延びるためには、緊急地震速報の受信機を手に入れるといった方法も有効ですが、隣近所が声を掛け合って避難することも大切です。

地震の揺れから生き延びるポイント

・寝室にはできるだけ大きな家具を置かない
・家具などはしっかり固定する
・寝室が2階などにある場合は、屋内の階段を使わずに避難できる方法を考えておく
・安全をまもるためスニーカーなどの靴を寝室に置く
・夜の避難に最低限必要なものをまとめて枕元やベッドまわりなど手の届く場所に置く
・緊急地震速報を受信できるようにしておく

屋内にいるとき

屋外にいるとき