国民に増税を強いる社会保障・税一体改革関連法案の参院審議入りを前に、法案を主導する財務省が“身を削る”節約意識をアピールしているという。
節約の内容は次のとおり。産経新聞≪財務省、回数券でアピール≫(2012年7月10日 8時02分)が伝えた。
財務省が近距離区間の地下鉄交通費を少しでも削ろうと、割引回数券を使った節約の徹底を職員に指示していることが9日、分かった。
(中略)
東京メトロ丸ノ内線霞ケ関-国会議事堂前駅(大人160円)の場合、割引回数券(11枚つづり)を使うと1枚当たり約15円の節減になる。利用者が少ない時間帯限定の時差回数券(12枚つづり、平日午前10時~午後4時)を利用すれば、約25円も節減できる。
涙ぐましい努力…。何という美談…。なんて危うく思いそうになってしまった。財務省があるのは霞が関でも一等地だ。国会議事堂との間は1ブロックしか離れていない。直線距離は約500メートル。ちょっと上り坂ではあるが、徒歩で歩いて苦になる距離ではない。建物の玄関を回ったりしていたら距離がかさむ、なんて言い訳も立ちそうだが、地下鉄の駅まで歩く距離と時間を考えれば大差ない。
歩ける距離を地下鉄で行き来し、1割引の回数券で節約アピールとは!
財務省幹部は「回数券を使っても年間の節減効果は政府全体で数百万円にすぎないが、国民に態度で示すことで関連法案の成立を図りたい」と訴えている。
かつて国会開催中には、この短距離を黒い車が何台も何台も行き来していたことを考えれば、たしかに地下鉄利用は節約だろうが“身を削る”といえるほどのことかどうか。
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