今は滅多に車を運転しないせいか、なかなかしょっちゅう行くことはないのだが、道の駅の大ファンだ。良い野菜が安いうまい！そしてちょっと面白い！理由はそれだけ。その昔、九州にて営業回りをしていたころは、よく運転途中に道の駅を見かけては、休憩を兼ねて立ち寄ったもんである。　とある日、営業回りで熊本県は人吉市～球磨郡まで出かけていた。かなり朝早く出たこともあってか、予定されていたアポは順調に消化し、昼食をとろうと店を探していると・・・。道の駅があるではないか！

　道の駅には時折愛称があるようで、ここは併設されている公園とともに「錦・くらんど公園」と呼ばれているらしい。道中は本当に山間部の集落という印象だったが、開放的で澄んだ場所だ。

　 熊本県人吉市付近。私の好きな場所です。桜の名所でもあります。

　 その人吉市内から、車で20分程度のところに道の駅「錦」があります。

　・・・さて、普通なら適当においしそうな野菜を買ったり試食したりするのだが、そこで変なものを見つけてしまった。タイトルにもある「きのこ栽培キット」である。「なんやこれ・・・」思わず独り言が突いて出た。茶色いプラスチック製の容器に蓋がしてあり、横に説明書がある。えりんぎ、しめじの２種類。こういうものがある（楽天とかで売られている）のは知ってたが、まさか道の駅で売っているなんて・・・！　・・・思えば九州で初めての一人暮らし。友達もまだ少なく、平日は無機質な日々。動物は無理、観葉植物も自信ない。でも何か、自宅でのぽっかり感を紛らわせるようなものがほしい。少しでも生命の息吹を感じていたい。辿り着いたらきのこでした。

　50円也。早速買って、きのこと私の栽培生活が始まった。

１．菌床が見える程度に菌をほじくりだす。

一応左がしめじで、右がえりんぎである。はっきり言って、ぱっと見ただけじゃどっちがどっちかなんてわからない。

菌をスプーンでほじくる。なんか違和感がある。菌床が見えてきた。きちんと説明書きを守ったが、ほじくりすぎた気がして不安になる・・・。

２．湿らせた環境においておく。

どうも部屋は乾燥しやすかったので濡れタオルを掛けていた。寒いと育ちが多少遅れるそうだが問題はないらしい。場所がなかったので炊飯器の横に置いた。米を払ってから写真に撮るべきだった・・・。

３．２～３週間待ちましょう・・・。「サボテンなどの観葉植物は話しかけると良い」なんて聞いていたので、仕事上の悩みなど聞いてもらってました。うそです。

すると・・・

おおっ！(15日目)

おおおおっ！！(15日目)

おおおおおおおおおおおおおおおっっっ！！！！！（17日目）

　きのこが・・・きのこが立った！！！2週間くらいで食べられるまでに育つと聞いていたので、遅いなぁと思っていた。しかしその2週間でやっときのこが生えてきた。（左がしめじ、右がえりんぎ）

　この後もすくすく育つ。

（22日目）

（24日目）

ふと、ここで疑問がわきあがる。

「これ、いつ食べごろなんやろう・・・？」スーパーで買ってるパックのサイズくらいだとは思うが、栽培という接し方をしていると、途端にどうすればよいかわからない。そして・・・

（26日目朝）

途端に成長スピードが速くなった（ように感じた）。エリンギは傘が反り返り始めた。ここで収穫していればよかったのだろう。しかし、私はその朝、仕事に対して時間的余裕がなく、写真だけ撮ってさっさと出社してしまった・・・！

（26日目夜）

こうして帰宅すると、見事なまでに傘が反り返っていた・・・。しかも1本は重みに耐えられずに落下していた！

えりんぎは多少歯ごたえがありすぎたものの、パスタに混ぜていただいた。しめじは、収穫のタイミングを逃さず、煮物の具としておいしくいただいた。しかし、えりんぎのことを思えば、やや残念な気持ちなのは言うまでもない。こうして私ときのこの栽培生活はいったん幕を閉じた。今は九州を離れたが、機会があればまたあそこの道の駅に行きたいなぁ・・・と、今でもたまに思う。いつかのリベンジの日を夢見つつ。

（30日目）しめじ