5月17日の「福島第一原子力発電所の状況について」いわゆる「日報」には、1~4号機サブドレン観測井「N14」でトリチウム濃度が高めの11,000Bq/Lとの検査結果が出たことが記されていた。
これについて東電は「地下水を採取してから分析するまでの過程において、放射性物質が混入した可能性も含めて後日再分析を実施予定」と書いている。これはおかしい。
濃度が高い原因として「放射性物質の混入」を疑うのであれば、低い測定結果が出た場合には「真水等の混入」を疑ってもらわなければならない。
検査データについての「恣意的な解釈」は、いったい何を意図してのことだろう。「放射性物質の混入の可能性」といった方便はあまりに苦しすぎる。事故原発の状況をできるだけ軽微に見せたいのだとしても、むしろ逆効なのではないか。理解に苦しむ。
文●井上良太
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