4月15日(金曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。
※ 情報を追加して更新します
多核種除去設備(既設ALPS)で漏洩。拭き取りで対応
※4月14日午後9時45分、多核種除去設備において、漏えい検知器が動作し「吸着塔6B入口pH計ラック漏えい/異常」警報が発生。当社社員による現場確認において、多核種除去設備B系統の吸着塔付近に約20cm×10cm×1mmの水溜まりが2箇所あることを確認。
水溜まりは堰内に収まっており、外部への流出はなく、水溜まり周辺に継続的な流入がないことを確認。
同日午後11時16分に水溜まりの拭き取りを実施し、警報がクリアしたことを確認。
なお、拭き取ったウエスの線量当量率の測定結果については、以下のとおり。
<拭き取ったウエスの線量当量率>
・70μm線量当量率(ベータ線): 0.6mSv/h
・1cm線量当量率(ガンマ線) :0.003mSv/h
<雰囲気線量当量率>
・70μm線量当量率(ベータ線):0.005mSv/h
・1cm線量当量率(ガンマ線) :0.003mSv/h
引き続き、漏えい検知器周辺の状況を監視していく。
福島第一原子力発電所の状況について(日報)|福島原子力事故に関する更新|東京電力ホールディングス株式会社 2016年4月15日
1~6号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機原子炉建屋地下から集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・6号機使用済燃料プール冷却系の除熱系統である6号機補機冷却海水系について、ストレーナ他点検のため、4月11日午前10時31分に、6号機使用済燃料プール冷却系を停止し、午前10時49分に残留熱除去系(A)系の非常時熱負荷モードを起動し、使用済燃料プール冷却を開始。6号機補機冷却海水系については、午前11時22分に停止。(停止予定期間4月11日から4月22日)
なお、切り替え前のプール水温度は21.8℃、切り替え後のプール水温度は22.0℃であり、運転上の制限値(65℃)以下となっている。
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
◎日報に新規事項の記載なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備停止中
・高性能多核種除去設備停止中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクCから海洋排水を実施。排出量は701トン
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクCの分析結果[採取日4月7日]について、運用目標値を満足していることを確認。4月14日午前10時6分より港湾内への排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時15分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)
その後、午後2時55分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は701m3。
福島第一原子力発電所の状況について(日報)|福島原子力事故に関する更新|東京電力ホールディングス株式会社 2016年4月15日
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクDから海洋排水を開始
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクDの分析結果[採取日4月9日]について、運用目標値を満足していることを確認。(既出)
4月15日午前10時13分より港湾内への排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時23分に漏えい等の異常がないことを確認。
福島第一原子力発電所の状況について(日報)|福島原子力事故に関する更新|東京電力ホールディングス株式会社 2016年4月15日
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクEからの排水準備が進む
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクEの分析結果[採取日4月10日]について、運用目標値を満足していることを確認。
福島第一原子力発電所の状況について(日報)|福島原子力事故に関する更新|東京電力ホールディングス株式会社 2016年4月15日
※ 一時貯水タンクは浄化後のサブドレン・地下水ドレン水を海洋排出前に一時貯水するもので「サンプルタンク」とも呼ばれる。
サブドレン・地下水ドレン 集水タンクの分析結果(4月8日採取分)
※ 集水タンクはサブドレン・地下水ドレンから汲み上げた水を浄化施設に送る前に貯えておくタンクのこと。
○サブドレン・地下水ドレン集水タンク<トリチウム>
4月08日採取分: 750Bq/L
4月07日採取分: 820Bq/L
4月05日採取分: 960Bq/L
4月04日採取分: 880Bq/L
4月03日採取分:1,000Bq/L
4月02日採取分:11,00Bq/L
4月01日採取分:1,100Bq/L
3月30日採取分:1,000Bq/L
3月29日採取分: 920Bq/L
※東京電力の運用目標は「1,500Bq/L」
地下水バイパス
◎日報に新規事項の記載なし
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
4月14日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
福島第一原子力発電所の状況について(日報)|福島原子力事故に関する更新|東京電力ホールディングス株式会社 2016年4月15日
◆H4エリア
◎日報に新規事項の記載なし
○H4エリア周辺地下水E-1<全ベータ>
4月13日採取分: 8,100Bq/L
4月12日採取分:11,000Bq/L
4月11日採取分: 8,700Bq/L
4月10日採取分: 6,700Bq/L
4月09日採取分: 7,700Bq/L
4月08日採取分: 6,200Bq/L
4月07日採取分: 7,400Bq/L
4月06日採取分: 6,000Bq/L
4月05日採取分: 6,900Bq/L
4月04日採取分: 8,900Bq/L
4月03日採取分: 8,100Bq/L
4月02日採取分:11,000Bq/L
4月01日採取分:12,000Bq/L
これまでの最高値:710,000Bq/L(2013.11.10)
最終更新: