3月9日(水曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。
※ 情報を追加して更新します
20km圏内海域の魚介類調査(2015年10月~12月採取分)では1kg当たり100ベクレルの基準値超えは0
【ポイント】ただし、魚種数は39、測定はのべ263回。同様の魚介類調査は福島県も実施しており、魚種数は180、サンプル数8,577となっている。2015年に行われた県調査でも基準値超えは大幅減となっている。(福島民報2016年1月17日)
1~6号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系停止中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
・1号機原子炉建屋地下から集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中。
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下から集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
◎日報に新規事項の記載なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)運転中
・増設多核種除去設備運転中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクFから海洋排水を開始
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクFの分析結果[採取日3月2日]について、運用目標値を満足していることを確認。(既出)
3月9日午前9時56分より港湾内への排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時14分に漏えい等の異常がないことを確認。
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクGからの排水準備が進む
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクGの分析結果[採取日3月3日]について、運用目標値を満足していることを確認。
※ 一時貯水タンクは浄化後のサブドレン・地下水ドレン水を海洋排出前に一時貯水するもので「サンプルタンク」とも呼ばれる。
サブドレン・地下水ドレン 集水タンクの分析結果(2月29日採取分)
※ 集水タンクはサブドレン・地下水ドレンから汲み上げた水を浄化施設に送る前に貯えておくタンクのこと。
地下水バイパス 通算106回目の海洋排水を終了。排出量は1,618トン
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ1の分析結果[採取日2月24日]については、運用目標値を満足していることを確認。3月8日午前10時18分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、同日午前10時41分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)
その後、午後4時53分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は1,618m3。
地下水バイパス 揚水井No.10のトリチウムは3,100ベクレル。揚水井No.6,No.8はポンプ点検で採取中止
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
3月8日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
南放水口・排水路 原発構内の高台、タンクエリアへ排水路が流入する「B排水路ふれあい交差点近傍」の分析結果
【解説】水がなく採取できない状態だったB排水路ふれあい交差点近傍で、およそ3週間ぶりとなるサンプリングと分析が実施された。前回値と過去最高値を合わせて示す。
<セシウム-134>
2月16日採取 51 Bq/L
3月08日採取 ND(6.7Bq/L)
過去最高値 110Bq/L(2014.05.01)
<セシウム-137>
2月16日採取 220 Bq/L
3月08日採取 8.0Bq/L
過去最高値 280Bq/L(2014.05.01)
<全ベータ>
2月16日採取 250 Bq/L
3月08日採取 20Bq/L
過去最高値 380Bq/L(2014.09.02)
◆H4エリア
◎日報に新規事項の記載なし
◆H6エリア
◎日報に新規事項の記載なし
1~4号機タービン建屋東側
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
地下貯水槽 全ベータ濃度、前回に比較してA4観測孔では半減、A10観測孔では10倍以上
3月8日採取した地下貯水槽観測孔(A1からA19)の全ベータ放射能を分析した結果、前回(3月7日採取)の分析において、最大値(870Bq/L)を確認したA4観測孔については、430Bq/Lに低下していることを確認。また、A10観測孔は、前回値24Bq/Lから270Bq/Lに上昇していることを確認したが、それ以外の観測孔については、前回値と比較して有意な変動は確認されていない。なお、地下貯水槽観測孔の東側(海側)に位置する海側観測孔から採取・分析した全ベータ放射能には、有意な変動は確認されていない。引き続き、地下貯水槽観測孔について監視を強化。
1~3号機放水路
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
K排水路 セシウム、全ベータともに上昇。東京電力は降雨による表層土の流入のため上昇と説明
今回の分析結果については、前回(3月7日採取)の分析結果より上昇しているが、降雨による一時的な上昇であると推定。引き続き、監視を継続していく。
関連データ(東京電力以外のサイト)
最終更新: