1月1日(金曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。
1~6号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室、1号機所内ボイラー室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に移送実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
◎日報に新規事項の記載なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備停止中。
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクEから海洋排水を実施。排出量は806トン
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクEの当社および第三者機関による分析結果[採取日12月20日]については同等の値であり、運用目標値を満足していることを確認。2015年12月31日午前10時5分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時10分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)
その後、同日午後3時42分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は806m3。
地下水バイパス
◎日報に新規事項の記載なし
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
2015年12月31日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 12/23 12/24 12/25 12/26 12/27 12/28 12/29 12/30
E-1 2,500 3,100 3,100 3,600 4,000 5,400 5,900 5,500
浪江雨量(mm)3.0 9.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H6エリア周辺地下水【G-1】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 12/23 12/24 12/25 12/26 12/27 12/28 12/29 12/30
G-1 170 230 190 150 ND(110) 110 170 130
浪江雨量(mm) 3.0 9.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
H6エリア周辺地下水【G-2】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 12/23 12/24 12/25 12/26 12/27 12/28 12/29 12/30
G-2 440 600 750 410 350 350 380 380
浪江雨量(mm)3.0 9.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
H6エリア周辺地下水【G-3】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 12/23 12/24 12/25 12/26 12/27 12/28 12/29 12/30
G-3 1,000 1,100 820 770 930 940 850 910
浪江雨量(mm) 3.0 9.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
1~4号機タービン建屋東側 No.2、No.2-3、No.2-7、No.2-8のセシウムが上昇
<最新のサンプリング実績>
※2015年12月31日に採取した地下水観測孔の水のうち、No.2、No.2-3、No.2-7、No.2-8のセシウム134、セシウム137の分析結果において、前回値(2015年12月28日採取)と比較して有意な変動を確認。
セシウム134前回値 セシウム134今回値
No.2 検出限界値(0.42)未満 57
No.2-3 検出限界値(0.34)未満 17
No.2-7 検出限界値(0.31)未満 18
No.2-8 検出限界値(0.38)未満 36
(単位:Bq/L)
セシウム137前回値 セシウム137今回値
No.2 検出限界値(0.53)未満 250
No.2-3 0.94 73
No.2-7 1.4 80
No.2-8 検出限界値(0.57)未満 160
(単位:Bq/L)
当該地下水観測孔4箇所の全ベータ分析結果、及びその他の地下水観測孔のセシウム134、セシウム137を含むガンマ核種及び全ベータ分析結果については、有意な変動はない。
なお、海水の分析結果については、前回と比較して有意な変動はなく、周辺への影響はないものと考えている。また、海側遮水壁は閉合しており、当該地下水観測孔4箇所が設置されている4m盤においては、地下水の汲み上げを継続的に行っている。
2015年12月31日に採取した地下水観測孔のうち、No.2 、No.2-2、No.2-3、No.2-7、No.2-8については、本日、再度採取を行い、分析を実施する予定。
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
最終更新: