12月9日(水曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。
※ 情報を追加して更新します
トレンチ・ダクト内滞留水の放射性物質が1年前の数千倍に増加。発生源はどこにある?
※各建屋に接続しているトレンチ・ダクト内の滞留水状況調査の一環として、適宜滞留水の放射能濃度の確認を行っているが、12月3日に採取した廃棄物処理建屋間連絡ダクトの滞留水の分析結果が、以下の値であることを確認。
<12月3日採取分>
・セシウム-134:9.2×10^4 Bq/L
・セシウム-137:3.9×10^5 Bq/L
・全ベータ :5.0×10^5 Bq/L
・トリチウム :6.7×10^3 Bq/L
<参考(2014年12月11日採取分)>
・セシウム-134:2.7×10^1 Bq/L
・セシウム-137:9.4×10^1 Bq/L
・全ベータ :1.2×10^2 Bq/L
・トリチウム :3.1×10^2 Bq/L
当該ダクトの水位は、当該ダクト周辺のサブドレン水位より低い位置にあること、また、当該ダクト近傍のサブドレン水分析結果に有意な変動がないことから、当該ダクトの滞留水が外部へ流出することはないと考えている。
また、当該ダクトの水位は、プロセス主建屋の水位よりも高い位置にあることから、現時点においては、プロセス主建屋から当該ダクトへの流入はないと考えている。
なお、当該ダクトが接続している補助建屋には、床面に開口部があるため雨水が流入する可能性があるが、地下階がなく連通性はない。
【整数表記】
<12月3日採取分>
・セシウム-134:92,000 Bq/L
・セシウム-137:390,000 Bq/L
・全ベータ :500,000 Bq/L
・トリチウム :6,700 Bq/L
<参考(2014年12月11日採取分)>
・セシウム-134:27 Bq/L
・セシウム-137:94 Bq/L
・全ベータ :120 Bq/L
・トリチウム :310 Bq/L
【注目点】サブドレンの水位より低いので、極めて高濃度のこの水がサブドレン汲み上げに影響はないとの考えを示しているが、注視が必要なのは言うまでもない。また後段の「プロセス主建屋の水位よりも高い」という記載は、タービン建屋地下の滞留水が移送されているプロセス建屋から漏れ出したものではないことを意味しているらしい。だとすると、この高濃度のダクト水はどこから来たのだろうか?汲み上げて水処理を行う必要があるのではないか。(最後の一文は意味不明)
※ より詳細な情報の公開が待たれる。
1~6号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
《2号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
《3号機(2012年4月19日廃止)》
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
《4号機(2012年4月19日廃止)》
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
《5号機(2014年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
《6号機(2014年1月31日廃止)》
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
◎日報に新規事項の記載なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクAから海洋排水を実施。排出量は937トン
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクAの当社および第三者機関による分析結果[採取日11月28日]については同等の値であり、運用目標値を満足していることを確認。12月8日午前10時12分より海洋への排水を開始。(既出)
その後、12月8日午後4時36分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は937m3。
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクBからの排水準備が進む
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクBの当社および第三者機関による分析結果[採取日11月30日]については同等の値であり、運用目標値を満足していることを確認。
サブドレン・地下水ドレン 集水タンクの分析結果(11月28日採取分)
サブドレン・地下水ドレン 浄化水の詳細分析結果(11月2日採取分)
サブドレン・地下水ドレン 10月分の加重平均サンプル分析結果。10月の排出は合計1万2070トン
加重平均サンプルとは、排水前に採取した試料を、各回の排水量に比例した割合で混合した試料を意味する。
福島第一原子力発電所 サブドレン・地下水ドレン浄化水 加重平均サンプル分析結果(2015年10月分)| 東京電力 平成27年12月9日
【注目点】排出量は10月分の地下水バイパス(8055トン)を上回った。
地下水バイパス 通算93回目の海洋排水を開始
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ2の当社および第三者機関による分析結果[採取日11月26日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。(既出)
12月9日午前10時21分より海洋への排水を開始。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
12月8日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 11/30 12/1 12/2 12/3 12/4 12/5 12/6 12/7
E-1 4,200 2,800 2,100 2,000 1,800 1,700 2,400 1,400
浪江雨量(mm)0.0 0.0 0.0 0.5 0.0 0.0 0.0 0.0
H4エリア周辺地下水【E-9】の全ベータは1,700Bq/L
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H6エリア周辺地下水【G-1】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 11/30 12/1 12/2 12/3 12/4 12/5 12/6 12/7
G-1 2,800 3,500 2,400 1,700 1,700 1,100 1,300 560
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.5 0.0 0.0 0.0 0.0
H6エリア周辺地下水【G-2】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 11/30 12/1 12/2 12/3 12/4 12/5 12/6 12/7
G-2 850 700 640 640 680 590 530 550
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.5 0.0 0.0 0.0 0.0
1~4号機タービン建屋東側 地下水観測孔No.1-14で全ベータが過去最高値
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
<過去最高値>地下水観測孔No.1-14
全ベータ:33,000Bq/L(2015.12.08)
これまでの最高値:31,000Bq/L(2014.11.20/11.24/12.01/2015.12.08)
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
1~3号機放水路
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
K排水路
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
関連データ(東京電力以外のサイト)
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