11月15日(日曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。
※ 情報を追加して更新します
汚染水の濃縮を行う淡水化装置(RO-2)で漏水。継手から全ベータ25,000ベクレルの汚染水が漏れる
※11月15日、午前9時45分頃、淡水化装置(RO-2)の高圧ポンプ出口付近から水が漏えいしていることを協力企業作業員が発見。
また、同日午前9時45分に当該装置を停止したことにより、漏えいが停止したことを確認。
漏えいは、当該装置周辺に設置されている堰内に留まっており、外部への流出ない。
漏えい範囲は約1m×約15m。漏えい拡大防止措置を実施。
【解説】11月16日付の発表によると、漏洩はブースターポンプ(日報にある高圧ポンプとは別)の出口側の継手で発生した模様。淡水化装置という名称が付けられているが汚染水を淡水にする装置ではない。汚染水を逆浸透膜でろ過することで、濃縮された汚染水と、汚染度のきわめて低い水(これを東電は淡水と呼んでいる)に分離する装置。ろ過するために圧を掛けた管の継手部分からの漏洩という。
1~6号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
◎日報に新規事項の記載なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
《水処理設備および貯蔵設備の状況》
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
【注目点】昨日まで掲載されていた「※高性能多核種除去設備は、H8タンクエリアのストロンチウム処理水の処理を実施していたが、11月2日の同設備建屋内での水漏れにより処理を停止。」が削除される。
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクCから海洋排水を実施。排出量は599トン
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクCの当社および第三者機関による分析結果[採取日11月4日]については同等の値であり、運用目標値を満足していることを確認したことから、11月14日午前10時22分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時35分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)
その後、午後2時48分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は599m3。
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクDからの排水準備が進む
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクDの当社および第三者機関による分析結果[採取日11月9日]については同等の値であり、運用目標値を満足していることを確認。
サブドレン・地下水ドレン 集水タンクの分析結果(11月4日採取分)
地下水バイパス
◎日報に新規事項の記載なし
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
11月14日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 11/6 11/7 11/8 11/9 11/10 11/11 11/12 11/13
E-1 3,100 3,700 3,700 3,300 3,800 4,200 3,300 4,100
浪江雨量(mm)0.0 0.5 7.5 8.5 5.0 0.0 0.0 0.0
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H6エリア周辺地下水【G-1】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 11/6 11/7 11/8 11/9 11/10 11/11 11/12 11/13
G-1 200 140 160 230 150 ND(130) ND(110) 200
浪江雨量(mm) 0.0 0.5 7.5 8.5 5.0 0.0 0.0 0.0
H6エリア周辺地下水【G-2】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 11/6 11/7 11/8 11/9 11/10 11/11 11/12 11/13
G-2 490 400 430 590 2,000 3,300 1,000 390
浪江雨量(mm)0.0 0.5 7.5 8.5 5.0 0.0 0.0 0.0
1~4号機タービン建屋東側
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
地下貯水槽
◎日報に新規事項の記載なし
1~3号機放水路
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
K排水路
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
関連データ(東京電力以外のサイト)
最終更新: