10月22日(木曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。
※ 情報を追加して更新します
1~6号機
◎日報に新規事項の記載なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
◎日報に新規事項の記載なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・RO淡水化装置RO-2は停止、RO-3は運転中。
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
※高性能多核種除去設備は、H8タンクエリアのストロンチウム処理水の処理を完了したことから、8月26日午後7時37分、一度同設備による処理を停止。今後H8タンクエリアにストロンチウム処理水がある程度貯水された時点で、処理再開予定。
サブドレン・地下水ドレン 発表即日で一時貯水タンクEからの海洋排水を開始
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクEの当社および第三者機関による分析結果[採取日10月12日]については同等の値であり、運用目標値を満足していたことから、10月22日午前10時8分に海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時27分に漏えい等の異常がないことを確認。
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクFからの排水準備が進む
※また、一時貯水タンクFの当社および第三者機関による分析結果[採取日10月13日]については同等の値であり、運用目標値を満足している。
サブドレン・地下水ドレン 集水タンク(10月11日採取)の分析結果
地下水バイパス 通算86回目の海洋排水を終了。排出量は2,006トン
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ3の当社および第三者機関による分析結果[採取日10月8日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認したことから、10月21日午前10時7分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時15分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)
その後、午後6時8分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は2,006m3。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
10月21日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 10/14 10/15 10/16 10/17 10/18 10/19 10/20
E-1 11,000 9,500 8,200 6,800 7,000 6,100 5,000
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H6エリア周辺地下水【G-1】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 10/14 10/15 10/16 10/17 10/18 10/19 10/20
G-1 1,300 740 2,700 890 3,100 1,300 800
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
H6エリア周辺地下水【G-2】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 10/14 10/15 10/16 10/17 10/18 10/19 10/20
G-2 530 510 510 440 440 470 380
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0
1~4号機タービン建屋東側 1,2号機改修ウェルの濃度上昇は汲み上げ・試料採取方法変更の影響と主張。エビデンスは示されず
<最新のサンプリング実績>
10月20日に採取した1,2号機改修ウェル汲み上げ水の分析結果については、セシウム134が410Bq/L、セシウム137が1,600Bq/Lと、前回値(10月13日採取分 セシウム134:4.1Bq/L、セシウム137:19Bq/L)と比較し上昇、全ベータについては21,000Bq/Lと前回値(10月13日採取分 全ベータ:280,000Bq/L)と比較し低下していることを確認。
この変動要因は、10月14日から当該箇所の汲み上げ方法ならびに試料採取方法を変更しており、その影響によって変動したものと考える。
その他の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
それぞれの過去最高地は以下のとおり。
セシウム-134:920Bq/L(2014.11.13)
セシウム-137:3,000Bq/L(2014.11.13)
全ベータ :3,200,000Bq/L(2014.11.13)
【注目点】前日データが発表された「福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果」についての発表。過去最高値ではなかったものの、高い濃度を示した1,2号機改修ウェル汲み上げ水のデータ上昇の原因が、「汲み上げ方法」と「試料採取方法」を変更したためと主張している。
セシウム、全ベータとも、微粒子が沈殿した状態で上澄みだけをサンプルとして採取すると、低めの分析データが得られると考えられる。K排水路の分析結果に関しては、表層土の流入で濃度が上昇したという説明もあった。どのような変更が行われたのか、その内容が公開されなければ、何も言っていないに等しいのではないか。
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
1~3号機放水路
◎日報に新規事項の記載なし
K排水路
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
関連データ(東京電力以外のサイト)
最終更新: