10月16日(金曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている状況を考えます。
※ 情報を追加して更新します
3号機の使用済燃料プール内の燃料集合体2体に、ハンドル部分の変形を発見。撤去作業による燃料破損の兆候はないと発表
※3号機の使用済燃料プール(以下「SFP」という。)においては、10月15日に原子炉冷却材浄化系ろ過脱塩器ハッチ蓋の撤去作業を実施したが、
10月16日午前10時15分頃、水中カメラにてSFP内の状況を確認していたところ、10月15日に撤去した当該ハッチ蓋の下に位置するカメラにて確認できた燃料集合体4体のうち2体について、ハンドル部がわずかに変形していることを確認。
なお、当該ハッチ蓋の撤去作業については、SFP内へガレキを落下させることなく慎重に実施していること、および当該ハッチ蓋の撤去作業の前後においてモニタリングポスト指示値に有意な変動はないことから、今回の撤去作業による燃料破損の兆候はなく、周辺環境への影響もない。
今後、燃料取り出しの検討過程において、ハンドル部の変形した燃料集合体の取り扱いについても検討していく。
1~3号機
日報に新規事項の記載なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に実施中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設へ高濃度滞留水を断続的に移送実施中
4号機 いずれも原子炉建屋に付随するFSTR建屋から4号機廃棄物処理建屋への滞留水移送を「断続的に実施中」
・FSTR建屋から4号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に実施中
FSTR建屋、4号機廃棄物処理建屋とも4号機原子炉建屋に付随する廃棄物を貯蔵する施設。地下には滞留水が溜まっており、さらに建屋周辺には地下水がある。この地下水はサブドレンで汲み上げられて、処理後に海洋に排出される運用が行われている。滞留水の水位管理が重要となるFSTR建屋、4号機廃棄物処理建屋間での滞留水移送を「断続的に実施」とは、移送の運転実施/停止について詳細な発表は行わないことを意味している可能性がある。
5~6号機
日報に新規事項の記載なし
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
日報に新規事項の記載なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・RO濃縮水処理設備運転中
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクAから海洋排水を停止。排出量は727トン
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクAの当社および第三者機関による分析結果[採取日10月5日]については同等の値であり、運用目標値を満足していたことから、10月15日午前10時7分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時24分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)
その後、午後3時7分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。排水量は727m3。
サブドレン・地下水ドレン 一時貯水タンクBから海洋排水を開始
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクBの当社および第三者機関による分析結果[採取日10月6日]については同等の値であり、運用目標値を満足していたことから、(既出)
10月16日午前10時13分より海洋への排水を開始。なお、排水状況については、午前10時35分に漏えい等の異常がないことを確認。
地下水バイパス
日報に新規事項の記載なし
10月1日、2,400Bq/Lの高い濃度を記録した地下水バイパス揚水井No.10のトリチウム(H3)は東京電力の分析、第三者機関(日本分析センター)による分析でも2,000Bq/Lと高い状態がつづく。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
10月15日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 10/8 10/9 10/10 10/11 10/12 10/13 10/14
E-1 ※ 23,000 19,000 16,000 17,000 17,000 11,000
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.5 0.0 0.0 0.0
※:悪天候により採取中止
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H6エリア周辺地下水【G-1】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 10/8 10/9 10/10 10/11 10/12 10/13 10/14
G-1 ※ 1,900 1,300 1,400 1,500 1,200 1,300
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.5 0.0 0.0 0.0
H6エリア周辺地下水【G-2】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 10/8 10/9 10/10 10/11 10/12 10/13 10/14
G-2 ※ 790 620 740 590 600 530
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.5 0.0 0.0 0.0
※:悪天候により採取中止
1~4号機タービン建屋東側 3,4号機改修ウェル「水が無く採取できず」地下水ドレンからの汲み上げの影響か?
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
【解説】3,4号機改修ウェル汲み上げ水が、15日採取のデータでは「水が無く、採取できず」と発表されている。この採取場所は地下水ドレンの汲み上げ井戸の近くにあるため、ドレンによる汲み上げの影響も考えられる。
※ 3,4号機改修ウェル汲み上げ水の分析結果公表は10月6日以来(採取は9月30日。10月8日採取・10月9日発表分は悪天候のため採取中止)
1~4号機タービン建屋東側 2,3号機改修ウェル汲み上げ水のセシウム137が過去最高値
<過去最高値>2,3号機改修ウェル汲み上げ水
セシウム137:7.4Bq/L(2015.10.15)
これまでの最高値:5.7Bq/L(2014.09.07)
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
1~3号機放水路
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
K排水路
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
関連データ(東京電力以外のサイト)
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