9月29日(火曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
※ 情報を追加して更新します
集中廃棄物処理施設内・第二セシウム吸着装置(サリー)の試料採取装置から漏水
※9月29日午前5時29分頃、集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)内のサンプリングラック(試料採取装置)から、床面に水が漏れていることを、パトロール中の協力企業作業員が発見。同日午前6時31分、サンプリングラックにつながっているサンプリングライン10箇所の弁を閉止し、その後、午前8時2分に漏えいが停止していることを確認。漏えいした水は、第二セシウム吸着装置の各吸着塔出口におけるサンプリングラインの水で、漏えい範囲は約3m×約4m、深さ約3mmで漏えい量は約36リットル。漏えいした水は当該建屋内に留まっており、建屋外への流出はない。
その後、漏えいした水については、午後0時20分に回収を終了。
また、漏えいした水の放射能分析結果は以下の通り。
・セシウム134:2.8×10^5Bq/L
・セシウム137:1.2×10^6Bq/L
・全ベータ :3.3×10^6Bq/L
原因については、サンプリング水を排水するラインが排水不良となり、逆流した水が3箇所のサンプリングシンクから溢水したものと推定。
漏洩した汚染水はかなりの高濃度。
・セシウム134:280,000Bq/L
・セシウム137:1,200,000×10Bq/L
・全ベータ :3,300,000Bq/L
1~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・1号機ディーゼル発電機(B)室の滞留水を1号機タービン建屋地下へ断続的に移送実施中
※ 建屋地下からの滞留水移送は停止中
◆2号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、2号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送実施中(2015年9月25日午後5時3分~)
※ 建屋地下からの滞留水移送は実施中
◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
・増設廃棄物地下貯蔵設備建屋の廃樹脂貯蔵タンクエリア、廃スラッジ貯蔵タンクエリアの滞留水を、3号機廃棄物処理建屋へ断続的に移送実施中
・FSTR建屋から3号機廃棄物処理建屋の滞留水移送については断続的に実施中
※ 建屋地下からの滞留水移送は停止中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)停止中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置停止中
・RO濃縮水処理設備運転中
地下水バイパス 海洋排出の準備進む(通算83回目)
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ3の当社および第三者機関による分析結果[採取日9月17日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
9月28日のタンクエリアパトロールや汚染水タンク水位計による常時監視において、漏えい等の異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H4エリア周辺地下水【E-1】全ベータ濃度(単位:Bq/L)
採取日 9/21 9/22 9/23 9/24 9/25 9/26 9/27
E-1 29,000 29,000 24,000 27,000 28,000 27,000 26,000
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.0 18.0 10.0 0.0
H6エリア H6エリア周辺地下水G-2トリチウム、連日の最高値更新。ついに20,000ベクレル
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
H6エリア周辺地下水【G-1】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 9/20 9/21 9/22 9/23 9/24 9/25 9/26 9/27
G-1 4,300 3,800 2,800 3,300 3,100 2,000 1,500 2,200
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 18.0 10.0 0.0
H6エリア周辺地下水【G-2】トリチウム濃度(単位:Bq/L)
採取日 9/20 9/21 9/22 9/23 9/24 9/25 9/26 9/27
G-2 2,600 10,000 7,100 8,600 17,000 13,000 19,000 20,000
浪江雨量(mm) 0.0 0.0 0.0 0.0 0.0 18.0 10.0 0.0
<過去最高値>H6エリア周辺地下水G-2
トリチウム(H3):20,000Bq/L(2015.09.27)
これまでの最高値:19,000Bq/L(2015.09.26)
1~4号機タービン建屋東側 地下水観測孔No.1の全ベータ、No.1-8のセシウムが過去最高値
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
<過去最高値>地下水観測孔No.1
全ベータ:7,300Bq/L(2015.09.28)
これまでの最高値:6,800Bq/L(2015.09.21)
<過去最高値>地下水観測孔No.1-8
セシウム-134:590Bq/L(2015.09.28)
これまでの最高値:230Bq/L(2015.09.21)
<過去最高値>地下水観測孔No.1-8
セシウム-137:2,400Bq/L(2015.09.28)
これまでの最高値:940Bq/L(2015.09.21)
サブドレン・地下水ドレン 9月28日午後3時10分、海洋排水を停止。715トンを排出
※サブドレン他水処理施設について、一時貯水タンクGの当社および第三者機関による分析結果[採取日9月11日]については同等の値であり、運用目標値を満足していたことから、9月28日午前10時14分より海洋への排水を開始。(既出)
その後、午後3時10分、海洋への排水を停止。排水量は715m3。
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
1~3号機放水路
新規事項なし
K排水路の状況
<最新のサンプリング実績>
今回の分析結果については、前回と比較して有意な変動は確認されていない。
関連データ(東京電力以外のサイト)
最終更新: