日本中、あの町この町で上がる戦争法案反対の声。9月14日には静岡・三島でも

iRyota25

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たしか1週間ほど前のことだったか、静岡県の三嶋大社前の交差点に「戦争法案反対」のプラカードや横断幕を持って立っている人たちがいた。これからデモをやるんですかと尋ねると、道路使用許可をとらなきゃならないので今日は立っているだけとの話。デモは来週やりますからよろしければ来てくださいと、年配の男性が教えてくれた。

交差点を渡った先にも横断幕を持った人たちが立っていた。子連れの若いお母さんのグループだった。横断幕の端っこに「応援して下さる方は手を振ってください」と書かれたパネルが目に入ったので、横断歩道を渡りながら手を振ると、子供たちも元気に手を振り返してくれた。

昨夕、駅前にある会社のビルの前をデモの声が通り過ぎていった。あのデモだと分かったのだが仕事中で見に行くことは叶わなかった。

仕事が終わって帰っていたら、まだ遠くからデモの声がする。三嶋大社の方まで歩いて行くと、町中を歩き回ったデモに丁度行き当たった。

ざっと200人くらい。新宿駅前の安保法制賛成の街頭集会に集まったのとほぼ同じ人数ということだ。三島の人々は車道の端を列になって声を上げながら行進していた。

8月30日の国会議事堂前デモにも行ってきたのだが、三島のスピーカーから流れる声の雰囲気がなんともまったく可愛らしくて微笑ましかった。国会前はアップテンポで歯切れよく「センソウホウアンゼッタイハンタイッ!」なのだが、三島のデモのスピーカーから流れてくる若い女性の掛け声は「せんそーほーあん、ぜったい、はんた~い!」と歌うような、抑揚のある声だった。まさにシュプレヒコール(ドイツ語で詩の合唱、スピークとコーラスの合体した言葉なのだとか)だった。

デモにも土地柄が出るのだと初めて理解した。行進の中にはタンバリンや鈴を手に、飛び跳ねながら行進している子供たちがたくさんいた。60歳以上と見受けられる人たちも少なくないが、子育て世代の人がかなりの割合だった。車いすの人もいた。ヨーロッパ系の人の姿もあった。そして国会前ともっとも異なる印象だったのが、デモ行進をエスコートする警察官たちの表情だった。国会前にも話かければ笑顔で応えてくれる警官はいたが、ほとんどがムッツリ顔だったのだが、三島の警察官は笑顔で、まるでデモ隊と一緒に行進しているかのようにすら見えた。

きっと、戦争法案イヤだなあと思っている警察官も少なくないのかもしれない。

三島のデモに追いついたのは、行進の終点近くだったようで、交差点を一緒に歩いたところで解散となった。だいたい200人くらいいた人たちは「ありがとうね」とか「またね」とか声をかけ合って三々五々帰っていった。

同じ14日、国会前でも4万人、5万人の人たちが集まって声をあげたらしい。8月30日のデモと同様に、参集した人たちがあまりに多かったため、国会前の車道はデモに開放されたという。

デモはこわくない

衆議院でも参議院でも与党が多数なんだから、今さら反対したって何も変わらないという声をよく耳にする。でもそれは違うと思う。今週参議院本会議で決議できない状況になると、シルバーウィーク中の強行採決は難しくなる。「法案に賛成した議員を忘れない」と声を上げれば、これだけ国民に反対されている法案に賛成票を投じることは議員にとって難しくなる。採決を断行すれば、次の選挙では多くの議員が入れ替わることになるだろう。これは大きなプレッシャーになる。

選挙で多数を与えたのは国民なんだからという説もよく聞く。しかし、アベノミクスを焦点にして、安保法制のことはほとんど触れずに行われた先の衆議院選挙で多数をとったからといって、国民は与党にフリーハンドを与えたわけではない。しかも得票率で見れば与党は有権者の17%の支持を得たに過ぎない。それで独裁的な政治を行われたのでは堪ったもんじゃない。

議会制民主主義(間接民主主義)は代議員への信頼の上に成り立っているのは言うまでもない。その信義に反する行為があると思った時に個人として声を上げるのは民主主義の基本だ。

デモはなんとなくこわいという意見も聞く。60年安保や70年安保を知らない若者までがデモが恐いというのは、おそらくイメージ操作によるものだろう。ヘルメットにゲバ棒を手にした昔のデモと、いま日本中で繰り広げられているデモは別物だ。デモの行進の中に入らなくてもいいから、近くで眺めてみればすぐに分かる。デモはこわくない。

子供たち孫たちを戦場に行かせたくない。自分たちの税金が遠い外国で人を殺すのに使われることなどあってほしくない。そんな気持ちから自発的に集まってきた人たちだ。子供も高校生や大学生も、子育て世代もシルバー世代も、多くの人たちが声を上げる。

これからも日本中で戦争法案反対のデモが行われるだろう。近所でデモの声が聞こえたら、やじうま精神でもいいからぜひ近くに行って見てほしい。参加しているのが怖い人達ではないことは一目瞭然だから。私たちと同じ1人ひとりの個人が声を枯らして叫んでいることがわかるから。

そして、よろしければ手を振ってあげてください。

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