5月15日(金曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
※滞留水移送は停止中
1号機建屋カバー取り外しに向け、飛散防止剤散布を6時45分より開始
※1号機の原子炉建屋カバー(以下、「建屋カバー」という。)解体作業については、昨年に、飛散防止剤の散布をした上で屋根パネルを取り外して、瓦礫調査及びダスト濃度調査等を実施しており、調査終了後は、一旦屋根パネルを元に戻していたが、
使用済燃料プールからの燃料取り出しに向け、昨年と同様の手順で屋根パネルに孔をあけて飛散防止剤を散布し、その後に、屋根パネルの取り外しを実施する。
作業にあたっては、飛散防止剤散布等のダストの飛散抑制対策を十分に実施するとともに、ダストモニタ及びモニタリングポストにてダスト濃度等の監視を十分に行いながら慎重に進める。
建屋カバー屋根パネルからの飛散防止剤の散布については、本日6時45分より作業を開始。
2号機 〜高濃度滞留水移送を約20時間実施(移送先は3号機タービン建屋地下)
1号機冒頭の4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送実施(2015年5月11日午後2時32分~5月14日午前10時1分)
(既出)
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送実施(平成27年5月14日午後2時1分~5月15日午前10時3分)
移送実施時間は20時間2分
※滞留水移送は停止中
3号機~6号機
新規事項なし
◆3号機
1号機冒頭4項目と同じ記載
※滞留水移送は停止中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・2014年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・原子炉から使用済燃料プールへ燃料移動中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール
新規事項なし
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
水処理設備および貯蔵設備 〜第二セシウム吸着装置(サリー)「運転中」
第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
その他の項目について新規事項なし
・セシウム吸着装置停止中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・RO濃縮水処理設備運転中
地下水バイパス
新規事項なし
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
5月14日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、測定箇所の上部で高所作業を行っていたことからパトロール員の安全確保のために測定を一部実施しなかった箇所を除き、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
<H4周辺地下水E-1の全ベータ値>
4月21日採取 15,000Bq/L
4月22日採取 8,300Bq/L
4月23日採取 5,800Bq/L
4月24日採取 5,400Bq/L
(中略)
5月6日採取 5,900Bq/L
5月7日採取 6,500Bq/L
5月8日採取 6,500Bq/L
5月9日採取 5,800Bq/L
5月11日採取 5,800Bq/L
5月12日採取 6,800Bq/L
5月13日採取 6,800Bq/L
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
<H6周辺地下水G-1のトリチウム値>
3月17日採取分で過去最高値 3,400Bq/Lを記録して以来、それまでの週1発表から毎日発表になっている。
3月17日採取 3,400Bq/L
(中略)
4月22日採取 1,500Bq/L ※かなりの上昇
4月23日採取 1,500Bq/L
4月24日採取 2,100Bq/L
4月25日採取 980Bq/L
4月26日採取 2,000Bq/L
4月27日採取 760Bq/L ※雨は降っていないのに大きく増減
4月28日採取 1,000Bq/L
4月29日採取 550Bq/L
(中略)
5月6日採取 180Bq/L ※減少傾向は見られるものの変動幅が大きい
5月7日採取 210Bq/L
5月8日採取 180Bq/L
5月9日採取 180Bq/L
5月10日採取 120Bq/L
5月11日採取 210Bq/L
5月12日採取 120Bq/L
5月13日採取 200Bq/L
※ 3月10日(最高値の前回測定)の値は 480Bq/L
3月3日はND(検出限界値:10Bq/L)
<H6周辺地下水G-2のトリチウム値>
4月20日採取 380Bq/L
4月21日採取 2,500Bq/L ※大幅に上昇
4月22日採取 2,000Bq/L ※若干減少
4月23日採取 310Bq/L
4月24日採取 300Bq/L
4月25日採取 330Bq/L
(中略)
5月6日採取 250Bq/L
5月7日採取 190Bq/L
5月8日採取 160Bq/L
5月9日採取 240Bq/L
5月10日採取 200Bq/L
5月11日採取 300Bq/L
5月12日採取 210Bq/L
5月13日採取 340Bq/L
※G-2のトリチウム値は、タンクからの汚染水漏れが発生から約1か月後の平成26年3月24日・25日に記録した7,000ベクレルがこれまでの最高値だが、27日には660ベクレルまで減少していた。
<H6周辺地下水G-3のトリチウム値>
漏洩タンクから最も遠いG-3もトリチウム値が上昇
4月27日採取 400Bq/L
4月28日採取 200Bq/L
4月29日採取 310Bq/L
4月30日採取 320Bq/L
5月1日採取 280Bq/L
(中略)
5月8日採取 370Bq/L
5月9日採取 330Bq/L
5月10日採取 290Bq/L
5月11日採取 350Bq/L
5月12日採取 350Bq/L
5月13日採取 440Bq/L
1~4号機タービン建屋東側 ~地下水観測孔No.1-9の全ベータが過去最高値
<最新のサンプリング実績>
5月14日に採取した地下水観測孔No.1-9の全ベータの値については、前回値が49Bq/L(採取日5月12日)であったが、今回の分析値は2,800Bq/Lと上昇。今回の上昇については、分析の過程において放射性物質の混入も考えられることから、再度、地下水観測孔No.1-9の水を採取して分析を実施する。
なお、港湾内の分析結果において、前回と比較して有意な変動がないことから、現時点で外洋への影響はないものと考えている。
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