2015年2月24日 今日の東電プレスリリース

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2月24日(火曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。

「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)
「日報」に登場する主な施設(Google Mapに加筆)
 福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年2月24日
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【まとめ】今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
 【まとめ】今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
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2号機原子炉建屋の大物搬入口屋上部からK排水路に高濃度の汚染水が流出

「日報」には記載されていないが、2月24日付けの報道配布資料で、2月22日とは別の排水路に高濃度汚染水が流出していたことが明らかになった。24日ならびに25日、NHKニュースウェブ、産経ニュース、河北新報、朝日新聞などのメディアも取り上げた。

 2号機原子炉建屋大物搬入口屋上部の溜まり水調査結果|東京電力 平成27年2月24日
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降雨時に比較的高い放射能を記録してたK排水路について、その原因を調査したところ、2号機原子炉建屋山側(西側)に設置されている大物搬入口の屋上で、セシウム-134が最高8,400Bq/L、セシウム-137が23,000Bq/L、全ベータが52,000Bq/Lなど高い数値だったという。

K排水路は原子炉建屋の西側を暗渠として流れる排水路で、途中に水門などは設けられておらず、排水路は港湾の外側、地下水バイパスの排水路付近から太平洋に直結している。高い汚染度が懸念されるK排水路については、これまでにも記者会見で記者から質問がなされていた。

「2号機原子炉建屋大物搬入口屋上部の溜まり水調査結果|東京電力 平成27年2月24日」より
「2号機原子炉建屋大物搬入口屋上部の溜まり水調査結果|東京電力 平成27年2月24日」より

NHKなどの報道によると、降雨の際にK排水路の放射線量が上昇することは昨年の4月には認識していたが、海水の放射線量に変化が見られなかったことから、今回調査結果がまとまるまで東京電力は約10カ月間公表していなかったという。

K排水路の付近には人が近づくことすら困難なほど、極めて放射線量が高い線源が見つかっている1、2号機排気筒も位置している。

 【問われる東電の本気】高濃度汚染水の出所についての発表内容
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港湾に直結する排水側溝で5,000ベクレルを超える放射能が発見された続報。「高」警報を解除。原因については依然言及なし。

2月23日、当該放射線モニタA系B系の点検清掃を実施。放射線モニタB系は、午後4時に6.92×10^2Bq/L(全ベータ)を確認し、「高」警報が解除(「高」警報設定値:1.5×10^3Bq/L(全ベータ))。

なお、A系の指示値は、5.44×10^2Bq/L(全ベータ)。当該放射線モニタの指示値については、2月22日午後10時に採取したC排水路(構内側溝排水放射線モニタ近傍)の分析結果(全ベータ:20Bq/L)と比較し、高い値となっているが、これは当該放射線モニタの検出ラインのバックグランド値が高くなったためであると考えている。

当該放射線モニタは、排水路中に含まれる放射性物質濃度の傾向監視として設置したものであり、実測値(評価値)については手分析値を使用する。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年2月24日

最後の一文は、排水路の放射性物質濃度と、排水路を流れる水の放射性物質濃度は違うことへの言及と考えられる。

排水路の「高高」警報が解除されたのを受けて、水処理設備の再稼働を発表。日報では運転中などとなっていたが。

当該モニタ「高高」警報の発生に伴い、停止していた多核種除去設備、増設多核種除去設備、高性能多核種除去設備、RO濃縮水処理設備、モバイル型ストロンチウム除去装置(A系・B系・第二の2および4)、35m盤の移送については、2月23日午後4時51分までに、順次これらの設備の再起動および移送を再開。起動後の現場確認においても、漏えい等の異常は確認されず、また、当該モニタにおいても有意な変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年2月24日

たしかに、排水路の高警報発生についての記事では「(2月22日)午前11時46分までに、多核種除去設備、増設多核種除去設備、高性能多核種除去設備、RO濃縮水処理設備、モバイルストロンチウム除去装置(A系・B系・第二の2および4)を停止し、35m盤の移送をすべて停止。」と記載されているが、「水処理設備および貯蔵設備」の一覧表記では、実際の汚染水を使って設備を回す「ホット試験中」や「運転中」と表示されていた。

・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・RO濃縮水処理設備運転中

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年2月22日

2月23日の日報でも同様だった。

1号機~6号機

新規事項なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

※滞留水移送は停止中

◆2号機
1号機と同じ4項目に加えて、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成27年2月23日午前10時28分~)

※滞留水移送は稼働中

◆3号機
1号機と同じ4項目に加えて、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成27年2月23日午前10時39分~)

※滞留水移送は稼働中

◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・平成26年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。

◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備

新規事項なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)停止中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・RO濃縮水処理設備運転中

地下水バイパス ~再開した通算50回目の海洋排出を終了。排出量は1515トン

2月22日午前10時3分、海洋への排水を開始したが、午前10時10分頃に構内側溝排水放射線モニタ「高高」警報が発生したことから、同日予定していた地下水バイパス一時貯留タンクグループ3からの排水について、午前10時18分に排水作業については延期することとした。排水量は65m3。2月22日より中断していたが2月23日午前10時11分、海洋への排水を再開。同日午前10時15分に漏えい等の異常がないことを確認。(既出)

同日午後4時13分に排水を停止。排水停止状態に異常のないことを確認。排水量は1,515m3。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年2月24日

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

2月23日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年2月24日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年2月24日

 福島第一原子力発電所構内H4エリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果について (H4エリア周辺) | 東京電力 平成27年2月24日
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E-1の全ベータ値

2月18日採取 4,200Bq/L
2月19日採取 52,000Bq/L
2月20日採取 30,000Bq/L
2月21日採取 10,000Bq/L
2月22日採取 7,200Bq/L

◆H6エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年2月24日

 福島第一原子力発電所構内H6エリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果について(H6エリア周辺)|東京電力 平成27年2月24日
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G-2のトリチウム値

2月18日採取 180Bq/L
2月19日採取 1,700Bq/L
2月20日採取 1,200Bq/L
2月21日採取 1,100Bq/L
2月22日採取 1,200Bq/L

1~4号機タービン建屋東側

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成27年2月24日

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