3月5日(木曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
2月22日、C排水路(タンクエリア周辺の排水路)で計測された高濃度汚染水を港湾内に流した件の訂正と続報
※2月22日午前10時頃、構内側溝排水放射線モニタ「高」警報が発生。
(既出部分を中略)
<構内側溝排水放射線モニタ指示値(最大値)>
A系:5.61×10^3Bq/L(全ベータ)
B系:7.23×10^3Bq/L(全ベータ)
2月22日、構内側溝排水放射線モニタ指示値(最大値)のA系を「5.63×10^3Bq/L(全ベータ)」とお知らせしたが、その後のデータ確認において、読み間違いによる誤りであると判明。正しい値である「5.61×10^3Bq/L(全ベータ)」に訂正。
(既出部分を中略)
モニタリングを強化した以降、3月3日までの港湾内の海水の分析結果に、有意な変動は確認されていない。
2月23日、当該放射線モニタA系B系の点検清掃を実施。
(既出部分を中略)
2月22日の当該モニタの指示値に上昇が見られた午前9時30分頃から、排水路の最下流側ゲート(BC1)を閉止するまでの間に、港湾内へ流出した全ベータ放射能量を算出した結果、全ベータ放射能量は約4×10^8Bq(暫定値)と評価。
港湾内に流出した汚染水の全ベータの総量は、4億ベクレルとの暫定値。評価の根拠は別途資料で公開されている。
平成26年8月26日に大型ガレキが落下した3号機使用済燃料プールのプール水分析結果
※平成26年8月29日午後0時45分頃、3号機使用済燃料プール内瓦礫撤去作業において、燃料交換機の操作卓が当該プール東側中央付近に落下したことを受け、当該プール水のサンプリングを継続実施中。放射能分析結果が前回と比較して有意な変動がないことから、燃料破損等の兆候は確認されていない。
使用済燃料プール水の放射能分析の結果(採取日:3月4日)
・セシウム134:2.6×10^2 Bq/cm3
・セシウム137:9.5×10^2 Bq/cm3
・コバルト 60:1.7×10^0 Bq/cm3
1リットルあたりに換算すると、
・セシウム134:260,000 Bq/L
・セシウム137:950,000 Bq/L
・コバルト 60:1,700 Bq/L
1号機~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
※滞留水移送は停止中
◆2号機
1号機と同じ4項目の記載。加えて、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成27年3月2日午前10時25分~)
※滞留水移送は稼働
◆3号機
1号機と同じ4項目の記載。加えて、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成27年3月3日午前9時58分~)
※滞留水移送は稼働
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・平成26年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール
新規事項なし
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
水処理設備および貯蔵設備 ~セシウム吸着装置「運転中」
・セシウム吸着装置運転中
他の項目については新規事項なし
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・第二モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・RO濃縮水処理設備運転中
地下水バイパス ~通算52回目となる海洋排出の準備が進む
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ1の当社および第三者機関による分析結果[採取日2月24日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
3月4日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
E-1の全ベータ値
2月27日採取 14,000Bq/L ※前日までの動きとは桁違いに上昇
2月28日採取 4,100Bq/L ※一昨日のトレンドに戻る
3月1日採取 4,300Bq/L
3月2日採取 44,000Bq/L ※前日から10倍規模の上昇
3月3日採取 16,000Bq/L
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
G-2のトリチウム値
2月25日採取 200Bq/L
2月26日採取 170Bq/L
2月27日採取 1,200Bq/L ※前日までとは桁違いに上昇
2月28日採取 610Bq/L ※前日から約半減
3月1日採取 220Bq/L ※急上昇以前の状態に近づく
3月2日採取 2,000Bq/L ※地下水バイパスの運票目標値をはるかに上回る
3月3日採取 1,600Bq/L
1~4号機タービン建屋東側
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機サブドレン観測井
新規事項なし
※「福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果」のページでの該当するデータ公開も行われていない。
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