2月21日(土曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
第二モバイル型ストロンチウム除去装置、装置2および4の連続運転を開始
※タンクに貯留しているRO濃縮水を浄化するため、第二モバイル型ストロンチウム除去装置について、これまで原子力規制庁による検査にて通水試験などを実施していたが、設備や機能に異常がないことが確認されたことから、2月20日午後2時41分、4基中2基(装置2および4)による連続運転を開始。同日午後3時、運転後の状況について、漏えいなどの異常がないことを確認。当該装置は、必要に応じ吸着塔の交換やフィルター洗浄のため、一時的な運転停止を行いながら処理を継続していく。
1号機~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
※滞留水移送は停止中
◆2号機
1号機と同じ4項目
※滞留水移送は停止中
3号機 〜タービン建屋の高濃度滞留水移送を停止
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ高濃度滞留水を移送を実施(平成27年2月9日午前10時41分~2月21日午前9時53分)
※滞留水移送は停止中
4号機〜6号機
新規事項なし
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・平成26年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置運転中
・第二セシウム吸着装置(サリー)停止中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・RO濃縮水処理設備運転中
地下水バイパス ~揚水井No.11でトリチウムが過去最高
地下水バイパス揚水井<過去最高値:トリチウム(H-3)>
地下水バイパス揚水井No.11:860Bq/L(過去の最高値は820Bq/L 2014年8月21日)
地下水バイパス 一時貯留タンク分析結果(2月11日採取分)
※地下水バイパス一時貯留タンクグループ3の当社および第三者機関による分析結果[採取日2月11日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
2月20日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
H4エリア ~E-1の全ベータ値が前回と比較して10倍程度上昇
<最新のサンプリング実績>
H4エリア周辺地下水E-1の全ベータ値は、52,000Bq/L(採取日:2月19日)となっており、前回採取時の4,200 Bq/L(採取日:2月18日)と比較して10倍程度上昇していることを確認。この値は、過去の変動の範囲内(68,000 Bq/L[採取日:1月16日])であり、当該観測孔の全ベータにおいては、降雨の際に以前にも上昇が見られていることから、今回の上昇についても、降雨が影響したものと考えている。今後も監視を継続していく。その他の分析結果については、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
H6エリア ~G-2のトリチウム値が前回と比較して10倍程度上昇
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
2月18日の値は180Bq/Lだった。
1~4号機タービン建屋東側
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
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