2月19日(木曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
※ データを追加して更新しました。
昨年7月に水漏れが発生した6号機プールの弁の点検の結果、弁各部に異常なし。プール冷却を再開
2月18日午前9時44分より上記の点検作業を開始。(既出)
点検の結果、弁各部に異常はなく、弁下部のキャップ取合部からのにじみであることを確認。
このことから、弁各部の手入れおよび消耗品等の交換を実施し、復旧。
その後、使用済燃料プール水位を回復させ、使用済燃料プール水位が運転上の制限である「オーバーフロー水位付近」に達したことを確認した上で、2月19日午前2時5分に当該系を起動し、運転状態および分解点検を実施した当該弁に漏えい等の異常がないことを確認。
当該弁の点検作業および当該系の復旧が完了したことから、2月19日午前3時5分、実施計画第2編第74条第1項(予防保全を目的とした保全作業を実施する場合)の適用を解除。
なお、使用済燃料プール水温度は2月19日午前3時現在で19.9℃であり、運転上の制限値(65℃)に対して余裕があり、使用済燃料プール水温度の管理上問題はなかった。
1号機
新規事項なし
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
※滞留水移送は停止中
2号機 ~タービン建屋の高濃度滞留水の移送停止
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水の移送を実施(平成27年2月17日午前10時57分~2月19日午前10時11分)
※滞留水移送は停止中
2号機 ~グラウト充填工事が続けられるトレンチの立坑Aで、雨水流入による水位上昇が発生。適宜タービン建屋へ移送
・2号機立坑Aについては、立坑上部の配管ダクトに設けたグラウト充填管の貫通部より、雨水が流入し、水位が上昇したことから、2月18日2号機タービン建屋へ移送を実施。雨水の流入箇所については、今後、流入防止措置を行うこととし、それまでの間、立坑Aに溜まった水については、適宜、2号機タービン建屋へ移送を行う。
詳細な状況説明が待たれる。
3号機~6号機
新規事項なし
◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(プロセス主建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成27年2月9日午前10時41分~)
※滞留水移送は稼働中
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・平成26年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール
新規事項なし
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
水処理設備および貯蔵設備 ~第二セシウム吸着装置(サリー)を停止
・第二セシウム吸着装置(サリー)停止中
その他の項目について新規事項なし
・セシウム吸着装置運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
・モバイル型ストロンチウム除去装置運転中
・RO濃縮水処理設備運転中
地下水バイパス
新規事項なし
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
2月18日のパトロールにおいて、タンクからの漏えいの兆候を早期に発見する目的で70μm線量当量率の測定を行っているが、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
H4エリアを通り港湾に排水を流すC排水路で、セシウム-137の値が前回に比べて10倍以上
2月18日に採取した、切替C排水路35m盤出口(C-2-1)の分析結果において、セシウム137の値が22 Bq/Lと前回値(2月17日採取分:検出限界値未満(検出限界値:1.9 Bq/L))と比較して、10倍以上の上昇を確認。
上昇した原因については、B排水路上流で排水路の清掃を実施していることから、この影響によるものと推定。
なお、今回のC-2-1の分析結果は、付け替え前のC排水路35m盤出口(C-2)におけるセシウム137の値の変動の範囲内(最高値:130Bq/L)である。
◆H4エリア
その他の分析結果については、前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側 ~2号機取水口近くの地下水観測孔No.2-3でトリチウムが過去最高値
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
地下水観測孔No.2-3(2月15日採取)
トリチウム(H-3):1,800Bq/L(これまでの最高値:1,700Bq/L 平成25年12月6日)
1~4号機サブドレン観測井
新規事項なし
※「福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果」のページでの該当するデータ公開も行われていない。
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1号機放水路
新規事項なし
※「福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果」のページでの該当するデータ公開も行われていない。
関連データ(東京電力以外のサイト)
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成27年2月19日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太
最終更新: