1月15日(木曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発がおかれている現状を考えます。
協力企業作業員がグラインダーで左手を負傷し、乗り継ぎで救急搬送
※平成27年1月15日午後0時20分頃、構内G5タンクエリアにおいて、協力企業作業員が汚染水タンク雨水抑制対策工事中にグラインダーで左手を負傷した。その後、入退域管理棟救急医療室にて医師の診察を受けたところ、緊急搬送の必要があると判断されたため、午後1時36分に救急車を要請。午後2時6分に急患移送車にて同発電所を出発し、富岡消防署(救急車待機場所)で救急車に乗り換えて、いわき市立総合磐城共立病院へ向かった。なお、当該作業員の身体への放射性物質の付着はなかった。
安全総決起大会を開催。元請け企業、東京電力合わせて約340人が参加
安全総決起大会
日時:平成27年1月15日 12:00~13:00
場所:新事務棟付近の大型車車両スクリーニング場
参加人数:元請企業42社約170名
当社社員約170名
1号機~6号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
※滞留水移送は停止中
◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年12月22日午前9時58分~)
※滞留水移送は実施中
◆3号機
1号機と同じ4項目
※滞留水移送は停止中(停止から21日)
◆4号機
・原子炉内に燃料なし
・平成26年12月22日、使用済燃料プールに保管されていた全ての燃料の移動作業が終了。
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
地下水バイパス
新規事項なし
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
平成27年1月14日のパトロールにおいて、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されなかった。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側
新規事項なし
1~4号機サブドレン観測井 〜サブドレンの放射能分析を1週間に1回から通常の監視体制に変更
※2号機サブドレンに高い放射能濃度が検出された件について、高い放射能濃度が検出されたサブドレンNo.18およびNo.19(以下、「当該サブドレン」)に連結管で接続されているサブドレンNo.17の閉塞作業を平成26年11月21日に完了。(既出)
その後の分析結果において有意な変動がないことから、当該サブドレンおよび周辺のサブドレンの放射能分析を1週間に1回から通常の監視体制に変更する。
地下貯水槽 ~発表されるデータの単位が1立方センチ当たりからリットル当たりに変更される
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1号機放水路
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
関連データ(東京電力以外のサイト)
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成27年1月15日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太
最終更新: