2014年11月15日 今日の東電プレスリリース

iRyota25

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マンガン-54、全ベータ、セシウム-137など多くの測定項目で過去最大の汚染度を更新している1・2号機ウェルポイント汲み上げ水について、測定結果は発表されず

11月15日(土曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点から、事故原発の現状を読み進めます。

 福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年11月15日
www.tepco.co.jp  
【まとめ】今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
 【まとめ】今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
potaru.com

1号機~6号機

新規事項なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

※滞留水移送は停止

◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(平成26年11月13日午後3時7分~)

※滞留水移送は稼働中

◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年11月5日午後4時14分~)

※滞留水移送は稼働中

◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備 ~第二セシウム吸着装置(サリー)の表記が「運転中」に

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中

地下水バイパス ~藻のような生物が繁茂したとされる揚水井No.11の分析結果に依然として謎の「※」印

新規事項なし。「※地下水バイパス揚水井No.1~12のサンプリングを継続実施中」との記載だが同日付で地下水バイパス揚水井の分析結果が発表されている。

参考資料として発表された「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果」には、藻のようなものが発生した揚水井No.11には先週11月8日に引き続いて謎の「※」印が記載された。「※」印の意味についての説明はない。

「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果|東京電力 平成26年11月15日」より
「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果|東京電力 平成26年11月15日」より
 福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果|東京電力 平成26年11月15日
www.tepco.co.jp  

これに対して12日の分析結果では斜線表示となっている。

「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果|東京電力 平成26年11月12日」より
「福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果|東京電力 平成26年11月12日」より
 福島第一 地下水バイパス揚水井 分析結果|東京電力 平成26年11月12日
www.tepco.co.jp  

No.11の揚水井の異常が最初に発表されたのは10月22日の「日報」だった。しかも、その時点で約1週間前の出来事として次のように発表されている。

※地下水バイパス揚水井No.11において、藻のような生物が大量に汲み上げられたことから、原因調査のため10月15日よりポンプの汲み上げを停止。現在も調査を継続しているが、今後、当該揚水ポンプについては分解清掃を行う予定。なお、作業期間は2週間程度を予定している。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年10月22日

10月15日から汲み上げを停止しているということなので、ポンプの分解修理もそろそろ終わりそうな時期のはずだが、追加の説明はまだない。それにしても、深さ数十メートルの地下で発生した「藻のような生物」がどんなものなのか、気になる。

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

11月14日のパトロールにおいて、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年11月15日

◆H4エリア

※H4エリアIグループNo.5タンクからの漏えいを受け、福島第一南放水口付近、福島第一構内排水路、H4エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年11月15日

 福島第一原子力発電所構内H4エリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果について(H4エリア周辺)|東京電力 平成26年11月15日
www.tepco.co.jp  

◆H6エリア

※H6エリアC1タンクからの漏えいを受け、H6エリアタンク周辺のサンプリングを継続実施中。

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年11月15日

 福島第一原子力発電所構内H6エリアのタンクにおける水漏れに関するサンプリング結果について(H6エリア周辺)|東京電力 平成26年11月15日
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1~4号機タービン建屋東側 ~1・2号機ウェルポイント汲み上げ水についての測定結果は発表されず

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年11月15日

 福島第一港湾内、放水口付近、護岸の詳細分析結果(護岸地下水サンプリング箇所) | 東京電力 平成26年11月15日
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マンガン-54、全ベータなど多くの測定項目で過去最高値を検出している1・2号機ウェルポイント汲み上げ水についての測定結果は発表されていない。斜線は測定そのものを行っていないという意味か。

1~4号機サブドレン観測井 ~2号機建屋周辺<サブドレンNo.19>は漸減傾向か

「日報」に新規事項はなく、「福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果」のページでの該当するデータ公開も行われていないが、参考資料として「福島第一原子力発電所2号機建屋周辺地下水分析結果」が同日付で発表されている。

<サブドレンNo.18>
(11月13日採取)
セシウム134:4,700 Bq/L
セシウム137:16,000 Bq/L
全ベータ:20,000
トリチウム:1,600

<サブドレンNo.19>
(11月13日採取)
セシウム134:110Bq/L
セシウム137:340Bq/L
全ベータ:360
トリチウム:470


前回(11月6日)のデータは、以下のとおりだった。

<サブドレンNo.18>
(11月6日採取)
セシウム134:4,700 Bq/L
セシウム137:16,000 Bq/L
全ベータ:23,000
トリチウム:1,600

<サブドレンNo.19>
(11月6日採取)
セシウム134:160Bq/L
セシウム137:470Bq/L
全ベータ:760
トリチウム:500

全体的に漸減傾向にあるように見える。

 福島第一原子力発電所2号機建屋周辺地下水分析結果|東京電力 平成26年11月15日
www.tepco.co.jp  

地下貯水槽

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年11月15日

 地下貯水槽 分析結果(平成26年11月14日分)
www.tepco.co.jp  

11月14日分のデータでは、地下貯水槽ドレン孔水で最高値は「iの北東側」での160Bq/L。地下貯水槽漏洩検知孔水では「iの北東側」での78,000Bq/L。(ともに全ベータの値。1立方センチ当たりで発表された数値をリットル単位に換算)

関連データ(東京電力以外のサイト)

 浪江 2014年11月(日ごとの値)主な要素 | 気象庁|過去の気象データ検索
www.data.jma.go.jp  

15日の降水量合計は0.0mm。気温は最低-1.9℃、最高12.1℃
 最大瞬間風速 12.3m西 平均風速は2.2m
14日の降水量合計は0.0mm。気温は最低5.6℃、最高16.1℃
 最大瞬間風速 15.2m 西南西 平均風速は3.4m

●風速10~15メートルの風は、予報用語では「やや強い風」とされ、概ね時速~50km、一般道を走行する自動車に相当する強さの風。「風に向かって歩きにくくなる。傘がさせない」と表現される(気象庁のHPより)
●作業現場等に設置されている吹き流しが水平になるのが風速10~15メートルの風で、10分間の平均風速が10メートルを超えるとクレーン作業は中止しなければならないとされる

以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年11月15日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太

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