トリチウム濃度が高いことを理由に地下水バイパス揚水井No.12からの汲み上げをこれまでの説明に反して停止すると発表。この日、報道ではタービン建屋海側から汲み上げた地下水の処理水の海洋排出の計画が伝えられている
8月7日(木曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。
1号機
新規事項なし
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
2号機 ~高濃度滞留水の高温焼却炉建屋への移送再開
1号機と同じ4項目に加え、タービン建屋地下の高濃度滞留水の移送再開を公表
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年8月7日午前10時22分~)
3号機~6号機
新規事項なし
◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年6月16日午後2時42分~)
◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動(4号機原子炉建屋および共用プール建屋の天井クレーンと燃料交換機の年次点検により、一時中断)
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
地下水バイパス 〜揚水井No.12のトリチウム濃度が高いことを理由に、この井戸からの揚水を停止
※平成26年8月5日採取分の分析結果において、地下水バイパス揚水井No.12のトリチウム濃度が1,900Bq/Lであり、一時貯留タンクでの運用目標値1,500Bq/Lを上回っていることを確認したことから、当該揚水井の汲み上げを8月6日午後6時44分に停止。地下水バイパス揚水井No.12のトリチウム濃度が運用目標値を超えていることから、今後、一時貯留タンク内の評価を行う。
他の揚水井戸から汲み上げた地下水とブレンドして運用目標を下回れば海洋排出に問題はなく、この井戸からの汲み上げも停止しないと説明してきたが。
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
平成26年8月6日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側
新規事項なし
1~4号機サブドレン観測井
新規事項なし
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年8月7日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太
最終更新: