11月3日(月曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。
ダストモニタ警報発生の続報。交換した予備品は正常に動作
※11月2日午前11時36分、3号機南側連続ダストモニタにおいて、「ダストモニタ高高(警報設定値:1.0×10-4Bq/cm3)」の警報が発生。警報発生時、1号機建屋カバー解体作業および周辺での作業は実施していない。また、当該ダストモニタは、1号機原子炉建屋の風上(集中廃棄物処理施設南側)に設置されている。なお、他のダストモニタおよびモニタリングポストの異常は確認されていない。その後、現場で手分析を行った結果、検出限界値未満(1.1×10-5Bq/cm3)であることから、機器の異常と判断したため、当該ダストモニタについて予備品と交換を実施。(既出)
同日午後3時15分、交換した予備品が、正常に動作していることを確認。
1号機~2号機
新規事項なし
◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
※滞留水移送は停止
◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年10月27日午前10時43分~)
※滞留水移送は稼働中
3号機 ~異例の短時間終了。タービン建屋滞留水の高温焼却炉建屋への移送を停止
1号機と同じ4項目に加え、タービン建屋地下の高濃度滞留水の移送を停止
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水の移送を実施(平成26年11月1日午後4時13分~11月3日午前9時37分)
※滞留水移送を停止。
約17時間半での移送停止は異例。少なくともこの半年間でみると、最短でも5日程度は移送を実施している。
4号機~6号機
新規事項なし
◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中
◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
共用プール・水処理設備および貯蔵設備
新規事項なし
◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。
◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中
・高性能多核種除去設備ホット試験中
地下水バイパス ~通算31回目となる海洋への排出を終了。排出量は1,474トン
同日午後3時43分に排水を停止。排水停止状態に異常がないことを確認。なお、排水量は1,474m3。
※同日とは11月2日
H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果
◆最新のパトロール
11月2日のパトロールにおいて、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。
◆H4エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
◆H6エリア
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
1~4号機タービン建屋東側
新規事項なし
1~4号機サブドレン観測井
新規事項なし
※「福島第一原子力発電所周辺の放射性物質の分析結果」のページでの該当するデータ公開も行われていない。
地下貯水槽
<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。
以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年11月3日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太
最終更新: