2014年9月27日 今日の東電プレスリリース

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「増設」も進められている多核種除去設備(ALPS)で、またも不具合。汚染水処理は大丈夫なのか?

9月27日(土曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。

 福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月27日
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また多核種除去設備(ALPS)で不具合。クロスフローフィルタ出口水が白濁

※9月26日、多核種除去設備B系の定例サンプリングにおいて、系統水のカルシウム濃度が高いことを確認。

現場調査により、クロスフローフィルタ(8B)出口水において、若干の白濁が確認され、当該フィルタから炭酸塩が系統の下流側に流出していることが判明したため、同日午後3時22分、同設備B系の処理運転を停止。

なお、同設備B系の系統出口水(サンプルタンク入口水)における全ベータ放射能濃度に変動はなし。また、同設備A系については、処理運転を継続中(C系については、クロスフローフィルタの交換作業のため停止中)。現在、原因等を調査中。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月27日

「放射線被ばくとの関連性は極めて低い」。9月23日、高性能多核種除去設備工事に従事していた作業員が体調不良で救急搬送された件の続報

9月23日午前中、高性能多核種除去設備工事に従事していた作業員が体調不良を訴えたため、登録センター休憩所において休憩後、体調が回復したため退構したが、帰宅中に再度体調不良を訴えたため、救急車で近隣の病院へ向かい、午後2時に到着し診察を受けた。

診察の結果、更に検査が必要と判断されたため、午後2時55分にいわき市立総合磐城共立病院へ向かい搬送。その後、同病院にて診察を受け、1週間程度の入院が必要という診断結果が出た。

今回の診断内容については、作業との因果関係は不明だが、現在得られている当日の作業内容、累積線量、作業期間から判断して、放射線被ばくとの関連性は極めて低いと考えられる。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月27日

接触事故で滴下したのはエンジンオイルと判断。消防は「危険物の漏えい事象である」と判定

※9月26日午後0時48分頃に構内の車両サーベイ場において発生した車両の接触事故により車両から滴下していた油らしきものは、調査の結果、接触した車両のエンジン下部に油のにじみを確認したことから、エンジンオイルであると判断。双葉消防本部より「危険物の漏えい事象である」との判断をいただいた。また、その後の現場確認により、漏えい範囲は車両の冷却水とエンジンオイルが混合した状態で約1.5m×0.2mの範囲であることを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月27日

1号機~6号機

新規事項なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

※滞留水移送は停止中

◆2号機
1号機と同じ4項目

※滞留水移送は停止中

◆3号機
1号機と同じ4項目に加え、
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年9月24日午後1時33分~)

※滞留水移送は稼働中

◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

◆5号機
・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

◆6号機
・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール・水処理設備および貯蔵設備

新規事項なし

◆共用プール
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中
・共用プール低電導度廃液受タンク水について、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ適宜移送を実施。

◆水処理設備および貯蔵設備の状況
・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置 水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中
・増設多核種除去設備ホット試験中

地下水バイパス ~通算24回目となる「汚染物質を含む地下水」の海洋への放出が間近

※地下水バイパス一時貯留タンクグループ2の当社および第三者機関による分析結果[採取日9月19日]については同等の値であり、ともに運用目標値を満足していることを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月27日

 福島第一原子力発電所 地下水バイパス 一時貯留タンク分析結果|東京電力 平成26年9月27日
www.tepco.co.jp  

高い濃度のトリチウムが検出されている揚水井No.12からの汲み上げ再開は9月20日からなので、今回のグループ2タンクにはNo.12からの水は含まれない可能性が高い。とはいえ、トリチウム濃度は1リットルあたり120ベクレル(日本分析センターによる測定では130ベクレル)。

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果 ~暴風警報発令により9月25日の試料採取は中止

◆最新のパトロール

9月26日のパトロールにおいて、新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による常時監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月27日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。なお、H4エリアタンク周辺については、暴風警報発令により、9月25日の試料の採取を中止。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月27日

◆H6エリア

<最新のサンプリング実績>
暴風警報発令により、9月25日の試料の採取を中止。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月27日

1~4号機タービン建屋東側

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月27日

1~4号機サブドレン観測井

新規事項なし

地下貯水槽

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年9月27日

以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年9月27日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太

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