2014年5月9日 今日の東電プレスリリース

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作業員がドクターヘリで搬送。5号機では原子炉保護系機器の電気点検のため、原子炉の冷却を停止

5月9日(金曜日)に公開された「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」。前日からの変化や変更点を中心に読み解きます。

 福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年5月9日
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今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
 今日の東電プレスリリース「ここがポイント」
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ALPS増設工事の作業員がドクターヘリで救急搬送

※平成26年5月8日午後4時18分頃、増設多核種除去設備設置工事に従事していた作業員が体調不良であることを確認。

ただちに入退域管理棟救急医療室にて医師の診察を受けたところ、緊急搬送の必要と判断し、同日午後4時58分に救急車を要請。

当該作業員に身体汚染は無い。その後、双葉消防によりドクターヘリを要請。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年5月9日

4号機海側エリアのクレーンで油漏れ

※平成26年5月9日午前9時45分頃、4号機海側エリアにおいて、遮水壁工事で使用している重機(200tクローラークレーン)の油圧ホースが損傷し、油が漏えいしていることを作業員が発見。

油漏えいは元弁を閉めたことにより停止しており、漏えい油は約3m×約3mの範囲で溜まっている。

油漏えい箇所から海までは約20mあり、鋼製遮水壁が設置されていることから、海への流出の可能性はない。また、同日午前10時20分に双葉消防本部へ連絡。

同日午前11時10分に、本件は「危険物の漏えい事故ではない」との判断を受けた。なお、漏れた油は吸着マットによる回収と中和剤散布を行い、油が染みこんだ土壌は回収を実施する。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年5月9日

※クローラークレーンは、キャタピラー(クローラー:履帯)で移動できるクレーン。

1号機~4号機

新規事項なし

◆1号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

◆2号機
1号機と同じ4項目に加え、
・2号機タービン建屋地下→3号機タービン建屋地下へ高濃度滞留水を移送中(平成26年5月1日午前10時10分~)

◆3号機
・復水貯蔵タンク(CST)を水源とする淡水を原子炉へ注水中
・原子炉および原子炉格納容器へ窒素封入中
・原子炉格納容器ガス管理システム運転中
・3号機タービン建屋地下→集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)へ高濃度滞留水を移送中(平成26年4月24日午前10時34分~)

※使用済燃料プール循環冷却系については、使用済燃料プール内の燃料交換機本体撤去作業に伴い、4月23日~6月上旬の間、原則毎週月曜日午前7時~土曜日午後4時の間停止予定(停止時間は最長で129時間、毎週土曜日午後4時~月曜日午前7時の間は運転予定)。また、水温は運転上の制限値65℃に十分な余裕を持った45℃を超えることがないよう、同冷却系停止前のプール水温度を29℃以下として管理する。
<最新の作業実績>
5月8日午前6時44分停止(停止時の温度:16.9℃)

◆4号機
・原子炉内に燃料なし(使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プールから共用プールへ燃料移動中
・使用済燃料プール循環冷却系運転中

5号機

・冷温停止中
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

加えて、原子炉水の冷却を1時間20分間、停止したことを記載。

・5号機は残留熱除去系原子炉停止時冷却モード(B系)にて原子炉水を冷却中であるが、原子炉保護系※機器の電気品点検に伴う同系統の電源切替を行うため、平成26年5月9日午前10時4分から同日午前11時24分の間停止。

運転再開後について異常なし。なお、5号機原子炉水温度は32.9℃から33.1℃に上昇したが、運転上の制限値100℃に対して余裕があり、原子炉水温度の管理上問題ない。

※原子炉保護系:機器の動作不能、または操作員の誤動作等により原子炉の安全性をそこなうおそれのある過渡状態が生じた場合、あるいは予想がされる場合、原子炉をすみやかに緊急停止(スクラム)させる装置。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年5月9日

6号機

新規事項なし

・冷温停止中(燃料は全て使用済燃料プールに保管中)
・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

共用プール

・使用済燃料プール冷却浄化系運転中

加えて、4号機使用済燃料プールからの燃料移動作業で発生する汚染水の移送について記載。前回同様の対応がとられたのは4月25日だった。

・4号機使用済燃料プールから共用プールへの燃料移動作業において発生する構内用輸送容器(キャスク)内包水(4号機使用済燃料プール水)および構内用輸送容器(キャスク)内洗浄水については、沈降分離処理し、共用プール低電導度廃液受タンクで貯水しているが、

そのタンクが満水レベルに達したことから、平成26年5月9日午前10時から午後2時17分にかけて、同タンクから集中廃棄物処理施設(高温焼却炉建屋)への移送を実施。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年5月9日

水処理設備および貯蔵設備の状況

新規事項なし

・セシウム吸着装置停止中
・第二セシウム吸着装置(サリー)運転中
・淡水化装置は水バランスをみて断続運転中
・多核種除去設備(ALPS)ホット試験中

焼却工作建屋の水位、焼却工作建屋西側サブドレン水の分析結果

<最新の集中廃棄物処理施設各建屋水位>
各建屋内の滞留水の深さについては、常設水位計による監視において、プロセス主建屋への移送後の水位と比較し、焼却建屋では1.5cmの上昇、工作建屋では0.3cmの上昇。引き続き監視を継続。
5月9日午後2時現在の各建屋深さ
・焼却建屋:深さ19.1cm(4月14日移送停止後と比較し、1.5cm増)
・工作建屋:深さ 5.3cm(4月14日移送停止後と比較し、0.3cm増)

<最新のサブドレン水サンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年5月9日

H4,H6エリアタンク周辺観測孔(周辺排水路含む)の状況、タンクパトロール結果

◆最新のパトロール

<最新のパトロール結果>
5月8日のパトロールにおいて新たな高線量当量率箇所(β線による70μm線量当量率)は確認されていない(一部実施できない場所を除く)。堰床部に雨水が溜まった箇所については、雨水による遮へい効果により引き続き線量当量率は低い状態となっている。また、目視点検によりタンク全数に漏えい等がないこと(漏えい確認ができない堰内溜まり水内を除く)、汚染水タンク水位計による水位監視(警報監視)においても異常がないことを確認。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年5月9日

◆H4エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年5月9日

◆H6エリア

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年5月9日

1~4号機タービン建屋東側の状況

サンプリング実績を記載

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年5月9日

1~4号機サブドレン観測井の状況

新規事項なし

地下貯水槽の状況

サンプリング実績を記載

<最新のサンプリング実績>
前回採取した測定結果と比較して大きな変動は確認されていない。

福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年5月9日

 福島第一原子力発電所の状況について(日報)|東京電力 平成26年5月9日
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以上、「福島第一原子力発電所の状況について(日報)」平成26年5月9日分の変更箇所を中心にピックアップしました。
構成●井上良太

最終更新:

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