北海道夕張市に「としょかん」を。
そんな想いのプロジェクトが、
3月8日(土) に成立しましたことをお知らせします。
北海道夕張市の子どもたちへもう一度本でいっぱいの図書館を届けたい!(川端秀明)皆さまの力を集めて - READYFOR?
夕張市。かつて炭坑や夕張メロンで栄えた北海道中部の町です。むしろ、財政再建団体に指定され事実上財政破綻した町というイメージの方が強いかもしれません。
でも、ちょっと想像してみてください。
その町にも生活している家族がいる。こどもたちがいる。
たまたまその町に生まれた、あるいは不便であってもその町で生きることを選んだ人たちがいる。しかし、財政の問題でその町には、こどもたちが過ごせる場所が極端に減少している。東日本大震災で起こったことと、いまこの町で起きていること。違いを見つける方が難しいくくらいかもしれません。
石巻のみんなのとしょかんではこんな感じ
ドアを開けて、「おーい」「ごめんくださーい」と読んでも返事がない。入り口を入ったところでは、男の子が真剣な面持ちで漫画の単行本を読み耽っている。ねえねえここの人、いないの? なんて尋ねると、室内の張り紙を指差して、「いないんじゃない?」。
張り紙には、留守がちにしていることと、利用者の自主性、本を大切にすることに期待する書き込み。
それでもそのうち、男の子の友人らしき子がやってきて、「どうする? どっか行く? それともここでもうちょと読んでく?」なんて言い合っている。小さな本屋さんのような空間に、チーンとした冬の空気が流れて行く。
書棚に並ぶ背表紙をたどっていっても、ことさらお勉強しなさいでもないし、まさか世界文学全集があったりするわけでもない。読みたい本があったら来るし、じゃなければ来ないかもしれない。そんな自由さ。
本屋さんと図書館を足して割って、そこに貸本屋さんの雰囲気をちょっと混ぜたようなスペース、スツールに腰を下ろして、自分も本を物色し始めていたりした。そんな石巻の「みんなの図書館」。
それが北海道の夕張に出来ることになった。
ReadyFor? のサイトでは、その設立への支援が3月8日(土)に成立した。
なんだかすごく良い感じ。
しかもだ、3月11日の直前に成立したってことも。
特別なことなんかじゃなくて、ふつうに行きてきながらやっていくこと。それが支援とかそんな難しい言葉で考えるのではなく、ただただつながっていく。
夕張のこと、その証明なのです。
おめでとうございます。夕張のみんなのとしょかん。
そして今年は区切りの3月なのだとか。
でも区切るも区切らないも、けっきょく人の気持ちなんだよね。
明日は3月11日。4年目がはじまる日です。
写真と文●井上良太
最終更新: