3時24分。津波が町に到達した時間で時計は止まっている。
時計塔がいまも立ち続けているのは岩手県大船渡市の沿岸部、大船渡駅前。
港からは200mも離れていない。
駅の東側を南北に走る県道230号線。大船渡駅と盛駅、ふたつの市街地を結ぶ線路に沿って走る道。国道と並行するこの道は、町の人たちの普段使いの道だった。
この道沿いに軒を並べていた茶屋前商店街は、今では目に見ることはできないが、「大船渡屋台村」の仮設店舗で営業を続けている店も少なくない。
かつて、町のシンボルとして建てられたという時計塔。
震災の後、道すら見えないほど積み重なっていたがれきは撤去された。
町はかつての面影すら見出しにくい平面の町になっている。
それでも時計塔は、今日も大船渡駅前の道路沿いに突っ立っている。
傷ついた姿で、その時刻を示したまま、いつかもう一度動き始める時まで立っている。
大船渡駅前時計塔
茶屋前商店街
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