地震や津波などの自然災害は人間の力で防ぐことはできません。また地震を予知することもできません。しかし、自然災害が発生した時に、どうやって身を守るのかを、事前に考え準備しておくことで、被害を食い止めることは不可能ではないはずです。
考えられる危険
・家具などの重量物が転倒してつぶされる・負傷して逃げるのが困難になる
・家具などの重量物によって逃げ道がふさがれる
・割れた窓ガラスや照明器具でけがをする
・上層階の場合、屋内での閉じ込め、階段や通路の破損、火災などで脱出できなくなる
・建物が古い場合、倒壊の危険がある
・海や川が近い場合、津波の危険がある
・エレベーターに閉じ込められる
阪神・淡路大震災では、鉄筋コンクリートの大きな美術館が、建物の構造物まるごと土台から横に数10センチも移動する被害が発生しました。鉄骨造のビルも傾きました。とくに1階が駐車場になっているピロティ構造の鉄骨ビルの被害は甚大でした。大地震では頑丈そうに見える建物でも大きな被害が発生します。
室内の家具や重量物はしっかり固定しましょう。テレビやステレオ、額縁など、それほど重たくないものでも、横方向に激しく飛んでくる場合があります。それぞれを固定することに加えて、激しく揺れている間には、テーブルなどの下に入り、クッションや座布団など周りにある物で身を守りましょう。
屋内で負傷したために、その後の避難が困難になる事態を避けることが大切です。
また、ドアが開かなくなる、通路や階段が破損して逃げられなくなるなどの事態も考えておく必要があります。マンションやアパートなど出入り口が1カ所しかない住宅では、ベランダや窓から脱出しなければならない場合もあります。非常用の脱出ハッチやロープを定期的に点検することや、ベランダには人が通行できるスペースを確保しておくことが重要です。
海が近い場合には地震の後に津波の危険があります。地震で建物に大きな損傷がなく、なおかつ想定される津波の高さよりも建物の高さが余裕をもって高い場合には、上層階へ避難することもあるでしょう。さまざまなケースを想像して、避難路を確認しておきましょう。
地震の揺れから生き延びるポイント
・家具などの重量物はしっかり固定する
・地震を感じたら無理のない範囲で逃げ道を確保する
・頑丈なテーブルなどの下に入り、クッションなどで頭、首など体をガードする
・散乱した室内から脱出するためスニーカーなどの靴を屋内にも準備しておく
・上層階からの脱出ロープ、装置などを確認しておく
・ベランダの仕切り板付近に物を置かない
・津波の危険がある際には、下ではなく上への避難も考えておく
・緊急地震速報を受信できるようにしておく
「揺れた時には、まず自分の身を安全に守りましょう」と言われます。具体的には丈夫なテーブルなどの下にもぐりこみ、頭部を座布団などでガードすることが勧められています。